アンドレス・イニエスタ 写真:Getty Images

 かつてバルセロナやヴィッセル神戸に在籍していた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタは、昨年8月からUAE1部エミレーツ・クラブでプレー。2023/24シーズン終了後に現役引退、移籍が噂される中、海外では現役続行の可能性に対する批判や否定的な声が湧き起こっている。

 ハードワークを求める吉田孝行監督の戦術にフィットせず、2023シーズン途中に神戸を退団したイニエスタは、エミレーツ・クラブでもキャプテンとしてチームをけん引。今季ここまでリーグ戦18試合の出場で5ゴール1アシストをマークも、チームはリーグ戦残り3試合で4勝5分14敗と13位に低迷。1部残留圏の12位ホール・ファカン・クラブから勝ち点5差と、2部降格の可能性が高まっている。

 イニエスタとエミレーツ・クラブの契約期間は今年6月までであるが、中東メディア『365scores』は先月29日に「クラブが1部残留の場合には1年間の契約期間延長のオプションが行使される」と契約内容の詳細を伝えている。

 一方、イニエスタ本人は今年3月、米メディア『ESPN』のインタビューで「今年の夏であっても、今年末であっても、来年であっても…現役引退という考えに慣れ始めている」と現役引退の可能性を示唆。エミレーツ・クラブのユセフ・アルバトラン会長は先月15日、中東メディア『アル・カヘラ』の番組出演時に、2部降格の場合に監督就任オファーを提示する構えを見せていた。

 シーズン終盤でイニエスタの去就に対する注目度が高まる中、英紙『デイリースター』は今月28日に「40歳になっても現役を続けるサッカー界のスター選手はお金が足りないのか」という見出しをうち、元スペイン代表MFの現状を特集。バルセロナや神戸でタイトルを獲得した過去を紹介した上で、「サッカーファンはイニエスタがUAEで来季もプレーする可能性があることに驚いている」と綴ると、「彼はカネのためにプレーしている」「まだお金が足りないのか」といった欧州方面から挙がっているネット上での反応を取り上げたのだ。

 イニエスタに関する金銭面の問題と言えば、今年3月に大阪国税局から所得税などの申告漏れを指摘されたことが記憶に新しい。同選手は非居住者として税務処理をしていたものの、国税庁は居住者に該当し、所得税を納める必要があると判断。追徴税額が6億円近くにのぼるとみられる中、選手側は二重課税を訴えている。