鈴木唯人 写真:Getty Images

 ブレンビーIF所属MF鈴木唯人は、今月のFIFAワールドカップ北中米大会アジア2次予選(対ミャンマー、シリア)に臨む日本代表に招集。パリ五輪不参加の可能性が報じられているが、本人が同大会出場を望んでいるほか、所属先クラブの担当者が日本サッカー協会(JFA)山本昌邦ナショナルチームダイレクターの発言に反応している。

 ブレンビー攻撃陣の中心選手として活躍し、今年4,5月開催のAFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選では、クラブの事情によりメンバー外となっていた鈴木。MF遠藤航所属リバプールなど複数クラブからの関心が報じられる中、今月の代表活動ではU23日本代表のアメリカ遠征に帯同しないことが決まっている。

 また、今月24日に行われたA代表メンバー発表会見において、山本氏は鈴木の今後について「長い時間をかけてクラブと丁寧にやりとりしてきたが、パリ五輪には招集できないという結論に現時点では至っている」と招集断念を明かしていた。

 しかし、デンマークメディア『Tipsbladet』が今月28日に伝えたところによると、ブレンビーのコミュニケーションマネージャーは山本氏が鈴木のパリ五輪出場の可能性について、メディアに向けて発信したことに複雑な思いを抱いているという。

 「パリ五輪はデンマーク1部リーグ開幕と重要な欧州カップ戦予選の時期と被っている。我々はメディアを通じてではなく、JFAと直接対話を行っている」

 ただ一方で、『Tipsbladet』は「鈴木はパリ五輪出場を望んでいる」と伝えた一方、「鈴木が来季序盤の重要な試合を欠場することで、JFAはブレンビーと合意する必要がある」と綴っている。

 デンマーク1部リーグ開幕前にUEFAヨーロッパカンファレンスリーグの予選を戦うブレンビー。7月24日開幕であるパリ五輪との日程が被るだけに、同クラブとJFAの間で駆け引きが繰り広げられているようだ。