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軽スペシャリティカーの歴史を彩ったダイハツ オプティ

軽スペシャリティカーの歴史を彩ったダイハツ オプティ

「エンブレムは“D”より“星”に…」ある意味ダイハツらしさ満載だった?スポーツもかわいいも受け止めた軽スペシャリティ|ダイハツ オプティ【推し車】
(画像=「ハチオプ」こと2代目オプティのエアロダウンビークス(左上)と、「サンオプ」こと初代オプティ(右下),『MOBY』より 引用)

2020年代の視点から見れば地味な存在でも、ある時代においては花形、あるいはそれに準じた存在であったカテゴリーの代表車を紹介する「歴史と文化」企画、今回は1990年代まで栄えた軽スペシャリティカーから、ダイハツの「オプティ」を紹介します。

1992年の登場から2代にわたり2002年まで販売され、型式から初代(L300系)が「サンオプ」、2代目(L800系)が「ハチオプ」と呼ばれるオプティ。

初代と2代目ではコンセプトが大きく異なるものの、最終的には女性ユーザー向け高級クラシック路線が主流になったという意味では共通しています。

また、2代目の高級軽セダン路線は後に軽GTの「ソニカ」で再び模索されるなど、ダイハツにとっては軽自動車の将来性を探る実験的車種でもありました。

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ダイハツ生まれの“てんとう虫”?初代「サンオプ」(1992年)

ダイハツ生まれの“てんとう虫”?初代「サンオプ」(1992年)

「エンブレムは“D”より“星”に…」ある意味ダイハツらしさ満載だった?スポーツもかわいいも受け止めた軽スペシャリティ|ダイハツ オプティ【推し車】
(画像=「サンオプ」初期のスポーツ系特別仕様車・オプティ クラブスポーツ(1997年に発売されたイタリアンルックはSPORTSにSがつかない「クラブスポルト」なのに注意) 撮影:兵藤 忠彦,『MOBY』より 引用)

550cc時代末期から660cc時代初期にかけて販売された「リーザ」(1986年)後継として、初代オプティが誕生したのは1992年1月。

ウェッジシェイプの効いたクサビ型ボディに、丸みを帯びさせたタマゴ型が特徴のリーザと異なり、初代オプティ…L300系・通称「サンオプ」はフロント先端から曲線で立ち上がり、Aピラー付け根からなだらかにルーフを経てボディ後端も丸みを帯びた曲線ボディ。

全体的なフォルムは、古のスバル360を現代的に解釈したようでいて、ボンネットとフロントバンパー双方に切り欠きをつけて配された丸目(楕円)ヘッドライトはホンダの初代トゥデイ初期型を思わせましたから、ダイハツ車としてはかなり思い切ったデザインです。

オプションで「てんとう虫エンブレム」を設定したあたり、ダイハツの開発陣もスバル360は少し意識していたかもしれませんが、他社の、それも時代を象徴する名車をことさらにアピールするのも控えられたか、「てんとう虫」については特に宣伝してはいません。

モデル後半でインタークーラーターボ用のボンネットインテークを設けた「TR-ZZ(ダブルズィー)」や、フルオープン2シーターの「スパイダー」を追加するなど硬派路線に転じていたリーザに対し、「サンオプ」はターボエンジンを積まぬ軟派仕様。

スポーティ路線の「クラブスポーツ(CLUB SPORTS・1992年)」や、イタリアンスポーツルックの「クラブスポルト(CLUB SPORT・1997年)」といった特別仕様車や、後期に上級グレードのエンジンをDOHC・EFI仕様にしたものの、メインは女性ユーザー向け。

途中から5ドア車や、当時の流行だったクラシック路線の「オプティ・クラシック」(通称「オプクラ」)も追加し、ダイハツ車専門ジムカーナイベント「ダイハツチャレンジカップ」では硬派なチューニングカーも走りましたが、全体としては終始カワイイ路線でした。

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高級4ドアセダン路線の軽自動車!2代目「ハチオプ」(1998年)

高級4ドアセダン路線の軽自動車!2代目「ハチオプ」(1998年)

「エンブレムは“D”より“星”に…」ある意味ダイハツらしさ満載だった?スポーツもかわいいも受け止めた軽スペシャリティ|ダイハツ オプティ【推し車】
(画像=「ハチオプ」はセミノッチバック4ドアハードトップセダンだが、ビークス系など純正リアスポを装着した個体が多いため、ノッチバックはあまり目立たない…なお、「オプクラ」を除けば走り系のビークスが圧倒的に多かった ©DCTMダイチャレ東北ミーティング,『MOBY』より 引用)

1998年10月に軽自動車は現行の660cc「新規格」へ移行、その翌月にデビューしたのがL800系「ハチオプ」こと2代目オプティで、今度はなんと独立トランク式の4ドアハードトップセダンで、初代とはかなり印象の異なる高級路線になりました。

当初のラインナップは内側に小径のフォグランプを配した丸目4灯ヘッドライトの「ビークス」系と、フォグランプがない丸目2灯の「CX」系2種類で、後にCXをベースにクラシック調デザインとした2代目オプクラ(オプティクラシック)も追加。

いずれも斬新なデザインでしたが、特に「ビークス」系は当時最新鋭のメルセデス・ベンツ Eクラス(2代目W210・1995年)や、トヨタ アリスト(2代目・1997年)と「内側が小径の丸目4灯」という共通点があり、両車を模したドレスアップキットが存在したほど。

しかも、輸入高級セダンと車格がかけ離れた軽自動車でありながら、「Eクラス顔」はよく似合ったもので、初代ミラジーノ(1999年)ともども、当時のダイハツが得意とした「輸入車パロディ」の一貫だったようにも見えます。

ただし「ハチオプ」で最大の特徴は短いながらもノッチバックを持つ3BOXセミノッチバック・4ドアハードトップを実現していたことで、セミノッチバック車や2ドアハードトップ、2BOXスタイル独立トランク式の前例はあれど、全部盛りは「ハチオプ」が史上唯一。

既に2代目ホンダ トゥデイ(1993年)前期型が独立トランクで失敗していた(後期型でハッチバック化)とはいえ、ハチオプのトランクは開口部が大きく容量もそれなりに広かったのですが、デビュー当初から危惧された通り、人気の面では芳しくありませんでした。

ただし、リア開口部が小さくボディ剛性の面では有利で、DRS(ダイハツワークス)が全日本ダートトライアル選手権に投入、前期型の直4ターボエンジンJB-DETフルチューン仕様もダイハツチャレンジカップで数多く走るなど、「走りの軽」というイメージも。

軽スペシャリティカーとしては成功作と言えなかった「ハチオプ」ですが、軽スポーツとしてはオープンスポーツのコペン(初代・2002年)、4人が快適に移動できる軽GTとしてはソニカ(2006年)で、コンセプトの模索がさらに続けられたと言えます。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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