業界期待の的、一方で遺伝子編集に対する逆風も

eggXYtはEUとイスラエルイノベーション庁からの助成金を受けているほか、様々な賞を受賞している。

これまで同社はモナコ大公アルベール2世による環境技術研究優秀賞や、MassChallenge コンテストで最優秀賞を獲得している。また、Disrupt100では、世界を変えている500万のスタートアップ企業の中から2017年のトップスタートアップ100社の1社に選ばれており、実用化に向けて期待されている。

このように高い評価を得ており、商品業界からも注目を集めているeggXYtの技術だが、雄ひよこの殺処分をなくすための解決策を探す600万ドルの世界的コンペであるEgg-Tech賞には参加できないようだ。それはEgg-Tech賞の参加基準で遺伝子編集を伴う提案が除外されているからだという。

遺伝子編集は比較的新しい技術のため、人間への効果が明らかとなっていない。人間の医療や農業での使用がすでに規制されており、厳しい安全性と倫理基準が設けられていることに注意することが重要である。

eggXYtの共同創設者兼CEOであるYehuda Elram氏は「eggXYtの技術は雄の卵のみにバイオマーカーを配置するため、雌の卵のDNAは編集されず、従来の卵と同じである」とFoodNavigator-USAで語っており、今後は安全性の検証が期待される。

また近年は畜産に対する遺伝子編集が承認される場合もある。2020年には、アメリカ食品医薬品局(FDA)がGalSafe豚と呼ばれる家畜ブタの系統において、食用またはヒトの治療用に使用される可能性のある意図的ゲノム改変(IGA)を初めて承認した。今後は鶏卵における遺伝子編集が承認されることが期待される。

参考・引用元:eggXYt

(文・MOMMA)