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【閲覧注意】扁桃腺炎の治療薬が原因で「全身の90%がただれた」女性の姿が悲惨すぎる! 包帯ぐるぐる巻き… 治療の副作用で「TEN」発症=仏
(画像=画像は、「The Daily Mail」より,『TOCANA』より 引用)

 フランス南東部の都市アヴィニョンに住むカミーユ・ラージャーさん(29)の苦しみが始まったのは2017年9月29日だった。扁桃腺炎の治療薬として、ペニシリン系抗生物質のアモキシシリンを服用したところ、皮膚を猛烈な痒みが襲い、背中がみるみるうちに赤くなった。病院の検査を受けると「中毒性表皮壊死症(TEN)」との診断が下された。

 TENは、皮膚の広範囲に紅斑や壊死の症状が現れ、最終的には表皮と真皮が分離して感染症を招く皮膚障害だ。体表面の3割以上に病変が見られるとTENと見なされ、1割以下の場合はスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)とされる。TEN患者の死亡率は20~40%と高く、敗血症と多臓器不全を併発して死に至ることが多い。ラージャーさんのように、しばしば医薬品の副作用として発症する。

 英紙「The Daily Mail」は、ラージャーさんの闘病生活について報じている。ラージャーさんはTENの発症直後、両親に連れられてアヴィニョン病院の救急診療部に駆け込んだ。そこからマルセイユにある火傷専門の集中治療室に転送されたのだが、TENについて説明されても、当時は自分がどのような状況下にあるのかまったく理解できなかったという。

 入院することになったラージャーさんは、顔を含む全身を包帯で覆われ、意識のある状態のまま1週間以上耐えなければならなかった。TENの特効薬は存在せず、ひどい痛みを和らげるためにひたすらモルヒネが投与される日々――。肌の90%がただれ、口や舌、性器、そして気管にも糜爛は広がった。身動きも取れないため、10日間は尿道カテーテルを装着していた。2日ごとに交換される包帯が不要になったのは、顔面が8日後、手が10日後、残りの部位は16日後のことだった。

「(入院)初日はとても孤独で不安でした。翌朝、自分が生きているかどうかもわかりませんでしたし、どうしてこんなに恐ろしいことが自分の身に起こったのかも理解できませんでした。今までこれほど自信を無くしたことはありませんでした。病院にいる間、美しくて親切だった過去の自分を憎みながら、どうして28年間も生きてきたのかと自問自答していました。私は、もうすべてを失ったと思いました。このように傷だらけになった後、いったい何をすればいいのか悩みました。でも、自分の人生を生きて自分を受け入れる第二のチャンスに気付いたんです。この辛い経験を通して、人生において全てを予測するのは不可能だと実感しました」

 3週間の入院生活を経て、ラージャーさんは現在、TENで苦しむ他の患者を励まし、TENの存在を広く周知するため、自らの体に残されている痕跡を利用したいと考えている。というのも、退院後インターネットでTENについて調べたが、苦しみから解放される方法が一切見つからなかったからだ。TEN患者に希望を与えたいと願うラージャーさんの第二の人生は始まったばかりである。
(文=標葉実則)

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