出店者側も人件費や物価高騰で苦しむなかでの値上げ
楽天グループは23年12月期連結決算で最終損益3394億円の赤字を計上し、5年連続の最終赤字に沈んだ。業績低迷の原因となっているのが「楽天モバイル」の携帯電話事業であり、同事業の営業損益は3375億円の赤字。携帯電話のサービス開始から4年が経過したが、同事業がEC事業と金融事業の利益を食いつぶす構図が続くなか、24~25年には計8000億円に上る社債の償還を迎えるため、同社の経営の先行きを不安視する見方も広まっている。
そのため、今回の値上げは携帯事業の赤字穴埋めだという見方は強い。前出・幅氏はいう。
「楽天Gは楽天モバイルをやる理由として『楽天経済圏を強くするため』と言っていますが、たとえば競合する『ヤフーショッピング』は利用者数も出店者数も低迷しており、楽天市場との差は歴然です。『~経済圏』というくくりでは楽天Gは現状でも圧倒的に強い存在なので、もっと横綱相撲的な戦略を取ってもよいのではないかとも感じます」
EC会社関係者はいう。
「楽天市場に出店する事業者は5万以上あり、仮に1店舗当たり平均で月額2万円の値上げと仮定すると、楽天Gにすればそれだけで年間100億円以上の収入増となる。楽天G全体として赤字縮小の意図があるのは明らかだが、EC事業は黒字で儲かっており、今急いで大幅な値上げを行う必然性は乏しく、携帯事業の赤字穴埋めのために楽天市場の出店者に対して値上げを行うのはおかしな話であり、筋違い。楽天市場には小規模な出店者も多く、どこも人件費や物価高騰で苦しむなかでの値上げということもあり、出店者にとっては結構衝撃的な話。反発が予想される」(2月27日付当サイト記事より)
(文=Business Journal編集部、協力=幅貴道/ネットショップ総研)
提供元・Business Journal
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