医師から受けたまさかの宣告
ー術後4か月の段階で、医師から「膝が曲がっていない(曲げ伸ばしが十分にできていない)」と宣告されました。このとき、栗島選手はどんな心境に陥りましたか。
栗島:実は自分も、(膝の状態が)あまり良くないのかなと感じていました。大腿四頭筋(膝の上の筋肉)は付きやすいはずなのに、元の状態へ一向に戻らない。膝を伸ばしたときにも痛みがある。でもどうしたら良いのか分からない。リハビリがうまくいっていないと思っていたなか、医師から「膝が曲がっていない」と言われて……。分かってはいたんですけど、ショックでしたね。
「もっと早く、誰か教えてよ!」という気持ちになったんですけど、誰かのせいにしたところで何も始まらないし、それが事実なので。そのときに医師から、リハビリの一環としてお米入りの袋(重りになるもの)を毎日膝に乗せるよう言われました。
実はこれ、リハビリの最初の段階で医師から言われていたんですけど、私が忘れていて(笑)。このタイミングで気づかせてくれましたね。そこからはちゃんと、膝に重りを乗せるリハビリをしました。これが本当に痛くて。お米入りの袋を膝に乗せて、何分か経ったらそれを外して膝を曲げ伸ばしする。曲げ伸ばしが終わったら、またお米の袋を乗せる。これの繰り返しです。
これも地味な作業なんですけど、家でやっていたら膝の伸びが良くなりましたし、膝上の筋肉も付いてきました。そこから自信も付きましたね。
(後編に続く)