梅の開花に早春の息吹を感じる3月11日、とみす渡船のお世話になり三重県四日市市の沖堤防・霞一文字にクロダイを求めて釣行した。
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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤)
霞沖一文字堤でヘチ釣り
とみす渡船の直近の釣果情報は、船頭6匹とまずまず。産卵を控えた大型の個体が浅瀬に集結するベストシーズン(通称・乗っ込み)が間近に迫っている。
当日は最高気温11度、風はなく波も穏やかな釣り日和。海中が2m先まで見える程度の濁りが入っていた。午後便で午前10時30分に港を出船し、11時から釣行を開始した。
ヘチ釣り仕掛け
仕掛けは、磯ザオ・フジ浜風2‐330、タイコリール・プロマリンバトルフィールド黒鯛、ライン・黒鯛工房THE黒鯛2号、仕掛け・オーナーばり黒チヌ3号(ハリス2号)、ガン玉3B~5B。エサはカニ。へチ釣りで岸壁近くのクロダイを狙った。
霞一文字の水深は5mほど。全長約1.5kgにわたり並ぶブロックが外海と内海を隔てる。その継ぎ目の海底部分には20cm程度の隙間がある。
突発的に発生する高波がブロックに付着しているカラス貝やカニなどのベイトを巻き込み外海から隙間を通って内海に流れるので絶好のポイントだ。シブキに交じるカニを何匹か確認できた。
内海のブロックの継ぎ目狙い
2カ所ある船着き場の西側で下船し、東に歩を進めながら内海のブロックの継ぎ目を狙って仕掛けを落としていく。初の釣り場ということもあり水面から海底まで幅広くレンジを探った。
場所にもよるが、水深3m程度は岸壁に沿って垂直に落下させることができる。しかし、そこからが鬼門。ブロックの隙間から内海側に向かう流れと東に向かう本流が交差し、投入地点から3mほど流されて着底する。イトのたるみが激しくアタリを取るのは困難だ。
オモリのサイズ変更など試行錯誤しながら続けていると、干潮直前の潮止まり最中の正午すぎ、落としているラインがボトム付近で突然止まる。
48cm大型クロダイ浮上
手元に感覚はないがクロダイ特有のアタリだ。鋭くサオ先を持ち上げても微動だにしない。圧倒的な重厚感に根掛かりかとラインを巻き上げようとすると沖に走りだした。
親指でリールを押さえて止めようとするが猪突猛進。まるで歯が立たない。あっという間に20mほど沖に走られる。直後、下に向かって潜りだすので肝を冷やす。周辺にはテトラが設置されており、ラインブレイクのリスクがある。
強引にサオを立て魚の頭をこちらに向けて巻き上げる。死闘を繰り広げること5分。とうとう観念したのか、水面にラグビーボールのような楕円形の影が浮き上がる。のぞき込んで確認すると、産卵を控え栄養を腹にため込んだクロダイだ。
あまりの大きさに驚きつつ手前に寄せてくるが、緊張で震えてネットになかなか入らない。隣の釣り人がフォローしてくださり、なんとか取り込むことができた。
釣り上げたのは48cmの大型クロダイ。ベイトが集まるポイントを予測してエサを流し込んだ結果、釣り上げることができた。