セルティックはアンジェ・ポステコグルー前監督のもとで、FW古橋亨梧、MF旗手怜央、FW前田大然などを獲得。スコットランド1部リーグ優勝などにより、日本人選手獲得戦略は一定の成果を挙げたものの、ここに来て補強路線の転換を望む声が現地で湧き起っている。
中村俊輔氏(現横浜FCコーチ)の古巣であるセルティックは、2021年6月に横浜F・マリノスからポステコグルー監督を引き抜くと、その後は古橋、前田、旗手、MF岩田智輝、MF井手口陽介(現ヴィッセル神戸)、DF小林友希を獲得。ポステコグルー監督体制では古橋、前田、旗手が主力選手として活躍し、リーグ連覇やスコットランド3冠達成に貢献していた。
しかしブレンダン・ロジャーズ監督就任1年目の今季は、古橋の得点力が低下したほか、小林は公式戦出場ゼロと構想外に。旗手と前田が複数回にわたり負傷離脱しているほか、岩田も出場機会が限られている。
そんな中、セルティックの専門サイト『セルティックスター』は今月12日に「この夏、セルティックは日本やオーストラリアから離れて近い地域から選手を獲得すべきだ」という見出しのもと、日本人選手獲得戦略の成果を検証。
今年1月から2月にかけてAFCアジアカップ開催により、旗手、前田といった主力選手を欠いたことを「重要な時期に最も重要な選手を失ったのが腹立たしい。1か月も戦力を削がれた状態だった」と不満を募らせている。
アジアカップは原則として4年に1度の開催であるだけに、来季以降同様の問題が発生する可能性は限定される。ただ、『セルティックスター』は「ポステコグルー監督は日本市場の開拓で成功を収めた。だが、セルティックはイギリスから近い国、スコットランド1部リーグと同じく秋春制を採用しているリーグからの選手獲得にフォーカスすべきだ」と主張。現時点で春秋制のJリーグを間接的に敬遠した。
なお、Jリーグは昨年12月19日、2025シーズン終了後に0.5シーズンの特別大会を設けた上で、2026/27シーズンから秋春制に移行すると発表。降雪地域のクラブを応援するファン・サポーターからは、スタジアムでの観戦環境や練習施設に関する懸念の声が挙がっているが、日本代表OBの前園真聖氏は「時期が一緒なので、ヨーロッパの選手が日本に来やすくなる。日本人選手もヨーロッパに移籍しやすい。大きな枠組みで言うと、Jリーグは代表が繋がるわけだから、欧州諸国とマッチメイクもしやすくなる」と、日本人選手のステップアップ移籍加速を強調していた。『セルティックスター』の論調が物語るように、移籍の観点から春秋制のデメリットは大きいようだ。