男性の理想的な「お尻の形」を調べたユニークな研究が発表されました。
米デューク大学(Duke University)はこのほど、オンライン上で募った2000人以上を対象に、最も魅力的で望ましいと感じる男性のお尻を調査。
その結果として、最もイケてるお尻のサイズや形状が明らかになりました。
古来より、彫刻や絵画においては男性のお尻も重要な美を表現するパーツです。ここに黄金律は存在するのでしょうか?
研究の詳細は、2023年12月号の医学雑誌『Plastic and Reconstructive Surgery』に掲載されています。
最もイケてる「男性のお尻」はどんな形?
これまでにも魅力的なお尻の形を調べる研究はありましたが、それらはどれも女性に焦点を当てたものであり、男性については調べられていませんでした。
しかし有名な彫刻ダビデ像などを始め、男性の肉体にも美しさを感じる造形のバランスが存在するはずです。
そこで研究チームは今回、最も魅力的に感じる理想の「男性のお尻」を調べることにしたのです。
調査ではオンライン上で2095人の一般男女を募り、デジタル作成した男性のお尻の画像(横・斜め・後ろの3角度)を見てもらって、その魅力度を5段階評価でスコア付けしてもらいました。
2095人の参加者は男性が60.76%(1273人)、女性が39.24%(822人)で、年齢は18〜24歳が13.79%、25〜34歳が51.79%、35〜44歳が22.34%、45〜54歳が7.88%、55〜64歳が2.96%、65歳以上が1.24%となっています。
人種は白人が49.31%、アジア系アメリカ人が33.08%、ラテン系が7.73%、アフリカ系アメリカ人が6.40%、その他が3.48%です。
デジタル作成されたお尻の画像では、一つにつき3つの角度でその魅力度が評価されます(上図を参照)。
1つ目は真横からの角度で、体の前後方向のお尻と太ももの幅の比率に当たります。これはお尻の突出量を調べるものです。
2つ目は斜め方向の角度で、脊椎の末端部である仙骨とお尻の割れ目を直線ACとし、仙骨からお尻の窪みになっている部分の最遠部を直線ABとして、その角度を調べます。
これはお尻を斜めから見たときの膨らみやボリューム感を表します。
3つ目は真後ろの角度で、お尻の縦幅と横幅の比率を調べます。
これは後ろ正面から見たときの全体的な大きさや丸みに相当します。
そして参加者には以下の5タイプのバリエーションを提示し、どのお尻が最も魅力的かを答えてもらいました。
その結果、最も理想的で望ましい男性のお尻は、上図の中央列のお尻であることが判明しました。
具体的に3つの角度で言うと、前後方向の太ももの幅に対するお尻の幅の比率が1.18倍、斜め方向から見たACとABの角度が60度、お尻の横幅に対する縦幅の比率が0.66倍のときでした。
3つの角度別に見ると、他にも魅力度の高いものはありましたが、3つの角度すべてを合わせて全体的に評価が高かったのは上図の中央列のお尻となっています。
つまりは、横から見たお尻の突出量が中程度で、サイズ感も小さすぎず大きすぎない均整の取れたものといえます。
この一言で片付けてしまえば、何か単純な結果である印象を受けますが、研究主任のアシット・パテル(Ashit Patel)氏は「最も魅力的に感じられる男性のお尻の形を調べた初の成果である」と話しました。
また、これは「丸みを帯びて大きくふっくらとした外観が最も理想的とされる女性の場合とは異なる結果だった」と指摘しています。
一方で、皆さんもすでに気になっているかもしれませんが、お尻の好みの傾向は人種によっても違っていました。
例えば、参加者として最も多かった白人は確かに、中程度で均整の取れたお尻を理想的としていましたが、アジア系アメリカ人はより平たく小さなお尻を好み、反対にアフリカ系アメリカ人は幅広で大きなお尻を好んでいたのです。
また、この好みの傾向はそれぞれの人種ごとの男女で大まかに一致していました。
欧米人に比べるとお尻の小さな日本人男性は最初の結果を聞いて、少しガックリしたかもしれませんが、それは欧米系の人の好みなので心配いりません。
アジア系の男女の目には、日本人の平均的なサイズ感のお尻でも十分に魅力的に映っていると思われます。
ただ世界的に通用するイケてるお尻を目指したいなら、筋トレでサイズアップを目指すべきかもしれません。
参考文献
Plastic Surgeons Ask: What’s the Ideal Male Buttock?
Science Has A Crack At Defining The Ideal Male Butt Shape
元論文
Defining the Ideal Male Buttocks
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
編集者
ナゾロジー 編集部