松本山雅FCは今月6日開催の明治安田J3リーグ第8節で、ツエーゲン金沢に1-6と大敗。ファン・サポーターの不満が募る中、同クラブOBの田中隼磨氏が松本を離れた経緯を明かすとともに、古巣の現状を分析している。
2021シーズンのJ3降格以降、J2復帰を果たせていない松本。昨季のJ3リーグで9位に終わると、今季も第7節終了時点で2勝3分2敗と開幕ダッシュに失敗。金沢ゴーゴーカレースタジアム開催の金沢戦では、5分にFW山口一真のゴールで先制したものの、26分から38分までの間で一気に4失点。後半にも2度ゴールネットを揺らされるなど、地力の差を見せつけられた。
金沢戦での大敗劇を受けて、アウェイゴール裏の一部サポーターは選手にブーイングを浴びせるなど抗議。ネット上では霜田正浩監督の解任を求める声が飛び交っているほか、神田文之代表取締役社長の責任を問う意見も挙がっている。
さらに、X(旧ツイッター)では「松本山雅に反町康治さんや田中隼磨さんが戻ってきてほしい」「山雅は反町さんや隼磨さんがいた頃のようなチームには戻れないのかな?」といった声も。こうした声に対して、田中氏本人は「戻れます」と前置きした上で、復活するための条件を以下のように提示した。
「私と反さんと同じ考えをもち松本の流儀がどういうことなのかを理解して言動できる人間がいなければいけません。松本山雅ファン、サポーターのみんながどうして応援、後押ししてくれているのかをピッチ内外で示さなければ戻れません」
また、田中氏は「社長批判の投稿に隼磨さんがいいねを押してくれたのは、隼磨さんも社長の被害を受けたひとりの犠牲者だと思う」という主旨の投稿に対して、「今も松本山雅FCを愛してます。松本山雅FCファン、サポーターも愛しています」と反応。同氏による一連の投稿に対して「サポーターが隼磨さんの意見を尊重して、松本山雅にアクションを起こさないといけなかった」「クラブは確実に間違った方向に進んでいる」といったメッセージが寄せられている。
2014シーズンから9年間にわたり松本でプレーし、中心選手として2度のJ1昇格に貢献した田中氏。引退後にはエグゼクティブアドバイザーとして松本に関わり続けていたが、昨年12月に同職を辞任している。金沢戦後の投稿内容を踏まえると、クラブ首脳陣と意見が食い違ったことにより松本を離れた可能性が考えられる。