徳島ヴォルティス 写真:Getty Images

 明治安田J2リーグ最下位の徳島ヴォルティスは、3月31日から4月1日にかけて吉田達磨監督の解任、岡田明彦強化本部長の辞任、MF島川俊郎の現役引退を公式発表。吉田前監督のもとでプレースタイルに異議を唱えていたMF西谷和希も、契約解除により退団。チームが混迷を極める中、元法人会員からもクラブの体制や方針に対する不満の声が湧き起こっている。

 徳島はリカルド・ロドリゲスのもとでJ1昇格を果たしたほか、ダニエル・ポヤトス(現ガンバ大阪監督)、ベニャート・ラバインのもとでポゼッションサッカーのスタイルを培ってきたが、昨年夏に吉田氏を招へい。J2残留を果たし、吉田前監督のもとで今シーズンに臨んだが、J2リーグ7試合で1勝1分5敗とスタートダッシュに失敗。3月30日の第7節ザスパ群馬戦で敗れると、クラブ幹部はゴール裏にいたサポーターの前で監督交代を決断している。

 吉田前監督の戦術には、一部選手が不満を抱いていた可能性もある。西谷は先月14日にインスタグラムで「ヴォルティス本来のスタイルを取り戻すことが勝つための道しるべになります。ヴォルティスのスタイルこそが最高で最強です。自信を持って堂々と言えます。必ず取り戻します。そのためにも自分のできることを全力でやり続けます」と投稿。同選手は不適切と捉えられる発言により、全体練習から外れると、4日になって退団が正式決定している。

 プロデビュー前から吉田氏を慕っていた島川も引退するなど、異変が続いている徳島。徳島県阿波市の菓子製造メーカー『株式会社服部製糖所』は、今季開幕前からクラブの方針に違和感を抱いていたという。

 同社は4日にXを更新。「今年から法人会員辞めたのは、シーズン始まるまでにほんとにこのまま行くのって状態で始まったから」と切り出すと、「昨年の反省は特になく、そしてそのままスーッと時間が経ち開幕になり惨敗。繋ぐ路線からオープンな展開のスタイルに変わったのに、目指すサッカーのスタイルは同じとの元強化部長の説明。よく分からないクラブアドバイザーという立ち位置の方がそのまま強化部長に就任」と、強化部の矛盾点を指摘。

 「スタイルを変えるのはいいけど、せめて結果をだしてくれ。そしてもっと、私たちの『声』を聞いてくれ。優勝の立役者の彼を干す。徳島スタイルとはなんだろう」と疑問を呈した。スペイン人路線から転換もあり、様々な問題を抱えている徳島。元法人会員からの指摘が、クラブ内の不協和音を物語っている。