「Rado(ラドー)」のアイコニックモデルである「Anatom(アナトム)」が40年ぶりにモダンに蘇る。価格は、529,100円(税込)で3月より順次、正規ラドー販売店で販売開始する。

快適さをより追求したデザインに究極の「美学」を追求した新生「アナトム」をこの機会にチェックしてはどうだろう。

ジュエリーのように美しい外観フォルムの腕時計

1983年、新たなサファイアクリスタルを採用し、印象的な「Rado Anatom(ラドーアナトム)」が発売された当時、時計業界ではスクエア型や長方形バージョンなど珍しいフォルムは既にしばらく前から研究されていたが、それらの多くは可憐で女性らしく、ジュエリーとしての着用が想定されて作られていた。

「ラドー」にとっては、サファイアクリスタルの素材が金属に匹敵するほど硬い素材としてさらなる研究が重ねられていた頃で、その研究が新たな可能性を見出しているときだった。

ハードメタル(炭化タングステン)とこのサファイアクリスタルにおけるイノベーションで様々な特許を取得し、耐傷性を追求する同ブランドの新たな時代がまさに実現はじめていたのだ。ダイヤモンド工具を使用してカットする手法でサファイアクリスタルを様々な形で採用していく中で、ジュエリーのように美しい外観フォルムを作ることへあらたな限界を広げていった。

1980年代当時のラドーダイヤスターアナトムの広告イメージ

1980年代当時のラドーダイヤスターアナトムの広告イメージ

斬新で美しいこれまでになかったタイムピース

当時、「アナトム」制作時、デザインの着眼点としてバランスを主要なポイントに捉えていた。腕に直接着用すること、「人体の構造学的」に自然に腕に密着するものを見出せるように集中し、またタイムピースとしての外装へのこだわりも、新しい方向へ向かうべく限界をさらに広げて取り組んだといわれている。

同ブランドの時計職人たちの探究心は見事に実を結び、これまでにない、新たな凸型(ドーム型)のサファイアクリスタルをつくりだし、ブレスレットやケースの留め具にも新たな流線形を見出した。この「アナトミック=人体構造学的に」がまさに必年的なキーワードの時計つくりとして、仕上がった。斬新で、美しいこれまでになかったタイムピース、まさに、アナトムの誕生秘話だ。

自動巻きを発表

1980年代の発表当時は、業界の流行に沿ってクォーツで発表していた「アナトム」だが、1996~1997年には自動巻き(Automatic)の時計として新たに発表されていた。そして、2023年末に新たなイノベーションが加わり、新生「アナトム」がラドーのコレクションに復活した。

新しいハイテクセラミック素材のケース、端から端までを覆うサファイアクリスタルのフィニッシュはまさになめらかで美しく、新たなストーリーの一ページを同ブランドの歴史に刻む。

1980年代半ば、当時のラドー ダイヤスター アナトムの広告

1980年代半ば、当時のラドー ダイヤスター アナトムの広告

3色展開で登場した新生「アナトム」

新生「アナトム」は、グリーン、ブルー、コニャックの3色展開で登場。それぞれのカラーが文字盤で中心から外側へ向けてグラデーションがダイアルを縁取っている。無駄のないエレガントなデザインに、ホワイトのスーパールミノバがロジウムカラーの針と、インデックス、6時位置にある日付表示から輝いている。

ブラックのラバーブレスレットはこれらをしなやかに魅せるだけでなく、モダンで抜群の着用感で手元を一段と上品なルックに演出する。

(写真左から)コニャック、グリーン、ブルーの3色展開

(写真左から)コニャック、グリーン、ブルーの3色展開

新生「アナトム」はスタイリッシュでエレガントだ。

(角谷良平)