アルフレッド・アイザック・ミドルトンは、19世紀に活躍したイギリスの探検家と言われており、東南アジア、アフリカ、アマゾンの熱帯雨林など、未開の地を多く訪れたことで知られている。19世紀後半、非凡な探検家であったという彼は、失われた都市を求めて探検に向かうも自身が率いた探検隊一行と共にその後姿を消してしまったと言われている。近年になり、彼らが撮影したと思われる何枚かの写真が発見され物議を醸した。

 雑誌『スミソニアン』の記事によると、『シャーロック・ ホームズ』の作者として著名なアーサ・コナン・ドイルの元助手が、ミドルトンに関する文書や写真のコレクションを持っていたという。元助手の証言によると、ミドルトン探検隊はダウリートゥーと言う名の都市を目指しており、その年はウイグル自治区南東部のタリム盆地の東部に位置する、ロプノールという湖へのルート上にあったという。

 また、とある文献によるとミドルトン探検隊はダウリートゥーという黄金の都市を発見したほか、アトランティス大陸からやって来たという女性の黄金像の書かれた 地図などを発見したという。ミドルトンは、発見した財宝を埋めたと言われているが、その後ジャングルで迷子となってしまい、財宝を狙う者たちの捕虜となり命を落としたという。

 その後、ミドルトン探検隊の副隊長を務めたジョン・ハーグリーブスという人物が、別のチームを率いてジャングルに入り財宝を発見したとも言われているが、ミドルトンがどこに財宝を埋めていたのかは結局のところ謎のままとなり、探検の顛末も不明なままとなってしまっている。 そして、探検隊が撮影したと言われているその写真には、なんとも奇妙なものが写し出されていた。そこには、円盤型UFOとピラミッドを合体したのような奇妙な形の建造物、ロケットを思わせる形状をした複数の建造物、恐竜のような生物の姿、そしてエイリアンのような巨大な植物などあまりにも奇怪な光景の数々であった。

 だが、これらの奇妙な写真については既に真相が判明している。実は、それらの写真はAIによって生成された画像であったのだ。さらに、幻の都市ダウリートゥーという名前は「Dawleetoo」、実はchatGPTを作ったことで有名なOpenAIが開発した画像生成AI「DALL・E2」が由来となっている。「 DALL・E2」が発表されたのは2022年4月、探検隊が撮影したという写真画像が出回ったのは2022年8月のことであった。

 このミドルトン探検隊は、そもそもが都市伝説として語られていた話であったのだが、これのモデルになったと言われる探検家が存在している。イギリス陸軍の中佐を務めた探検家パーシー・フォーセット。19世紀末から20世紀初頭に活躍した彼もまた、その奇妙な体験や報告で知られていた探検家だ。彼の報告によると、アマゾンの探検において60フィートもの巨大なアナコンダ、巨大な毒グモ、そして生きている恐竜までも目撃したというのである。

 彼はまた、ブラジルのジャングルの中に存在すると言われていた「失われた都市Z」の探索をしたことでも知られており、1920年代初頭に遠征を行なったものの失敗に終わり、1925年、息子と知人の計3人で遠征に赴いて以降、行方不明となってしまったのだ。

 彼がそもそも、このアマゾンのジャングルの探検に熱を込めていたのは、ブラジルの図書館で読んだ文書の影響であった。『Manuscript 512』(1753年発見の…… 大きな隠された古代都市の史記)と呼ばれるその文書にて、アマゾンのジャングルの中に文明の遺産が眠っているという考えに 固執するようになった。

 彼の所持品は、数年に渡って断片的に回収され、彼のモットーがあしらわれた真鍮の板が現地の売店で発見されたこ とから、盗賊に襲われて命を落としその盗まれた品が渡り渡って売られたのではないかと考えられている。

 現在、古代に大規模なアマゾン文明が存在していたのではないかということが唱えられるようになったため、何らかの文明がアマゾンで育まれたというパーシーの考えは事実であった可能性もある。ただ、深まる謎は彼が目撃したという恐竜をはじめとした未確認動物とも呼べる奇妙な生物の数々である。その報告が果たして真実であったかは定かではない。

【参考記事・文献】
Did British Explorer Alfred Isaac Middleton Discover A Mysterious Lost City?
Alfred Isaac Middleton, la misteriosa scomparsa e la scoperta di città perdute
アルフレッド・アイザック・ミドルトン: 存在しなかった最も偉大な探検家。

探検家パーシー・ フォーセットの失踪とZの失われた都市の興味深い謎

実在した異世界?ダウリートゥーの真実はこれ

【文 ナオキ・コムロ】

文=ナオキ・コムロ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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