1945年以来、UFOに対してアメリカ政府がどれだけ関心を向け、調査を行ってきたかアメリカ国防総省が大規模な調査を行い、報告書を作成し公開された。

 全領域異常解決局(AARO)によって実施されたこの徹底的な調査は、2023年までの現象を研究することを目的とした様々な公式プログラムのすべてを再検討したものだ。 また、この調査の裏にはかねてより噂のあった「アメリカ政府や民間企業によって密かに行われているUFOプロジェクト」やその証拠など、UFOにまつわる様々な主張や陰謀論についての調査も含まれていた。

 このUFOの記憶をたどる旅は、1945年以降に産まれたUFOを中心とした22の異なる公式プログラムや研究、そしておよそ70以上におよぶ同様の国際的な取り組みを詳述したもの。しかし、いずれの取り組みもUFOを異星人と結びつけ、結論づけたものは皆無であるとAAROは発表している。

 勿論、AAROは政府の公式プログラムだけでなく、「政府の地球外テクノロジーに関わる秘密プロジェクトや政府によって隠蔽された事件について知っている」と主張する人物についても調査を行っている。およそ30人にインタビューを行い、彼らの話を徹底的に調査したそうだが、最終的には当時の軍事機密プロジェクトの誤った解釈や、質問されたときにこれらの主張を否定した二次情報源のために、これらの話には信憑性もメリットもないことが判明したとAAROは述べている。

 これらの調査結果を踏まえ、 AAROは1945年以来、”アメリカ政府の調査、学術機関が後援する研究、または公式の検討委員会が、UAPの目撃が地球外生命体の技術であることを確認した証拠はない “と明言している。 また、政府や民間企業が “地球外テクノロジーをリバース・エンジニアリングしている “という主張を裏付ける “経験的証拠も存在しない “と明確に結論づけた。

 しかし、これらの噂が今も根強く伝えられている事実については、”多くの人々が過去の経験や信頼できる他人の経験、あるいは『信頼でき検証可能な情報源である』と信じているメディアやオンラインの情報源に基づいて判断した結果、このような信念を抱くに至った “ことを認めている。

 報告書では、これらの噂や概念はいずれも不正確であり、”テレビ番組、書籍、映画、UAP関連のトピックを中心とした膨大な量のインターネットやソーシャルメディアコンテンツの普及 “によって広く受け入れられていると明記。AAROは最終的に、彼らが過去数年間提唱してきたのと同じ結論ーーーつまり、UFOが地球外生命体に由来するものであるという証拠は見つかっておらず、事象に関するより良いデータが得られれば、ほとんどの未解決のケースは「普通の物体や現象として識別され、解決されうる」ということを強調して、報告書を締めくくった。

 AAROの調査はアメリカ国内におけるUFO現象とその歴史について包括的な調査を行った意味深いものであるが、今も「政府がUFOに関する証拠や情報を隠蔽してきた」と長い間信じてきたUFO研究者や愛好家の意見を変えることはできないとみられている。そのため、早々にUFOや陰謀の存在を信じている人々から反論が出てくるだろう、と予測されている。

 ちなみにこの調査結果をまとめた報告書はネット上に公開されているので、気になる人は見てみてはいかがだろうか。

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文=飯山俊樹(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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