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米ミズーリ州の都市セントルイスに住む女性(55)は、舌が髪の毛のように真っ黒になった。舌が黒くなる症状は「黒毛舌(こくもうぜつ)」と呼ばれ、口内の衛生状態が悪くなって、細菌が繁殖することで引き起こされる。
英紙「The Daily Mail」などによると、女性は交通事故で両足を大けがしたため、ミノサイクリンという抗生物質を投与されたという。ミノサイクリンは傷口からの皮膚感染症を治療する目的で利用される。副作用としては黒毛舌が知られている。
女性は交通事故に遭った後、すぐにセントルイスのワシントン大学病院へ搬送され、入院することとなった。ヤシール・ハマド医師とデービッド・ウォーレン医師は、女性の両脚に、強く圧迫されてできる挫滅創(ざめつそう)が生じていると診断。女性の両足の傷口が感染症にかかったため、医師らはミノサイクリンを含む抗生物質を点滴した。投薬から1週間後、女性の舌が徐々に黒くなっていった。また、女性は吐き気と口内の不快な味を訴えた。
黒毛舌は、一見すると毛が生えているようだが、実際に毛が生えてしまったわけではない。舌の表面にある糸状乳頭に死んだ皮膚細胞が蓄積して黒く見えるのだ。実害はなく、原因となったミノサイクリンの投薬を中止すれば、しばらくして元に戻るという。実際、女性の舌は、投薬中止から1か月以内に正常な色に戻った。
ハマド医師は、「(黒毛舌は)このように恐ろしく見えますが、元に戻りやすいという点で心配には及びません」と語る一方で、他の医師らに対して「患者を診察するときは、体の一部(に起こった異変)を逃さないでください」と注意を促す。
黒毛舌は一般に成人や高齢者に多い疾患だが、ごく少数であるが赤子の発症例も見られる。赤子の黒毛舌は、口の中に入ったガーゼなどから細菌に感染し、糸状乳頭に色素が沈着すると考えられる。日本でも、定期的な口内清掃と舌のブラッシングによって乳児の黒毛舌が消滅したという報告がある。
黒毛舌は命に係わる疾患ではない。万一自分の舌や子供の舌が真っ黒になっても、不安がらず、まずは医師に相談することをお勧めしたい。
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