昨今の日本では脳科学が注目を集め、メディアで取り上げられる機会も格段に増えた。時代の寵児となった脳科学者たちが、ビジネスや教育などの分野でも発言権を強めている。その是非はさておき、人々の脳に対する関心の高さがうかがえる。

 脳研究は日進月歩で、その成果が医学の発展を促している。たとえば2018年8月、京都大学はカルビンディン遺伝子を脳に導入することで、脳内のドーパミン細胞死を防御することに成功したと発表した。ドーパミン神経細胞の細胞死がパーキンソン病の原因とされていることから、この研究結果はパーキンソン病の治療法開発に生かされるだろう。

 脳に関する言説やニュースが大々的に報じられる一方、脳そのものをじっくり眺めたことがある人はそう多くないはずだ。いったい脳はどのような構造をしているのか? 実物は何色で、どんな形をしていて、質感はどうなのか? こうした疑問に答えるべく、脳神経外科医のスーザン・ストレナサース氏は、脳の働きを紹介するビデオをYouTubeに公開した。

 一般人の多くは、脳をゴム球のようなものだと考える。しかし、スーザン氏をはじめ脳の研究を専門とする医師たちは、脳は人々が考えるよりもはるかに柔らかく、非常に脆弱であることを理解しているという。

 スーザン氏は、人間の脳について「個々の人生経験を大量に保管する素晴らしい器官だ」と語った上で、実際に脳を手に取って解説し始めた。動画に登場する1,400グラムの脳は、最近死亡した癌患者から摘出されたばかりのものだという。患者は自らの脳を研究のために提供し、人々の目に触れることとなったのだ。

 スーザン氏は、脳を拡大して映しながら、さまざまな部分と機能を説明していく。指でなぞったり、内部を広げてみたりして、リアルな脳の姿を視聴者に伝えようとする。脳はぐにゃぐにゃしていて、スーパーマーケットの店頭に並ぶどの肉よりも柔らかい。そして、そんなにも柔らかいからこそ、親指で軽く圧力をかけただけで、脳は簡単にダメージを受けてしまうとスーザン氏は力説する。

 動画を見れば、脳の柔らかさや脆さだけでなく、その美しさと複雑さも理解できることだろう。

☆無修正の動画はYouTubeでご覧いただけます。ただし、非常にショッキングな映像なので閲覧注意です。

参考:「YouTube」ほか

※当記事は2018年の記事を再掲しています。

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提供元・TOCANA

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