セルフィー(自撮り)の普及によって、さまざまなトラブルが発生しており、セルフィーを撮ろうとして事故死する若者たちが後を絶たない。自己顕示欲の強まりは、死亡事故を引き起こすだけでなく、違法行為や反社会的行為を誘発することも少なくない。一方、男女間の流血沙汰がセルフィーを通して明らかになることもある。

 英ダーラム州の町ダーリントンでは2017年7月、当時34歳の男性、マイケル・ローソンさんがナイフで刺し殺される事件が起きた。ローソンさんを殺したのはデイビッド・サンダース(33)。BBCなどによると、ローソンさんと付き合っていたサラ・ブラムレー(29)が、自身の元ボーイフレンドであるサンダースを挑発したことが事件のきっかけだったという。

 数週間前から、互いに罵り合うメッセージをやり取りしていたブラムレーとサンダースは、事件発生の夜も、酒を飲んだ状態でやり取りをエスカレートさせていった。そして、ブラムレーがローソンさんとセックスしている自撮り画像をサンダースに送り付けた。「あなたと過ごした3カ月の間に、ちゃんとしたオーガズムに達したことはなかったし、何度もイクふりをしていたわ。でも、彼(ローソンさん)のおかげで、私は人生で最高のオーガズムに達したわ」というメッセージを添えて――これが事件の決定的な引き金となった。

 サンダースは昨年12月に有罪判決を受けた。一方、ブラムレーも殺人ほう助の罪で起訴され、4カ月の懲役刑が確定。酔った勢いでセックス画像を送りつけた2児の母親は、2人の男性の人生を踏みにじっただけでなく、自らの人生も破滅させることとなったのだ。

 このように酒を飲んだ女性がセルフィーで“やらかしてしまう”事件はロシアでも発生している。英紙「The Daily Mail」によると、ハンティ・マンシ自治管区の都市スルグトで2018年、25歳のオルガ・ヴァオリという女性が元夫のオレーグ・スミルノフさんをナイフで刺した後、血まみれになったオレーグさんを背景にセルフィーを撮影したという。

 オルガは、酔っ払ったオレーグさんが首を絞めてきたので反撃したと主張する。しかし、オレーグさんを刺した直後、「私は獣のように見える」というコメントを添えた自撮り画像をネット上に公開している点や、オルガ自身も酔っ払っていた点も含めて、過剰防衛の疑いで起訴された。幸いにもオレーグさんは病院に搬送されて手術を受け、命を取り留めたという。

 オルガは子どもの世話をしなければならないため、自宅にいることを許可されているが、事件の捜査中は町を出られない。もしも過剰防衛の有罪判決を受けた場合、最高で1年間の懲役刑を科される可能性がある。

 男女関係が絡むセルフィー事件はいずれもおぞましい。セルフィーは、人間を美しく写すだけでなく、人間の醜い部分をも露わにしてしまうのだ。 (文=標葉実則)

☆無修正の画像は「The Daily Mail」にてご覧いただけます。ただし、非常にショッキングな映像なので閲覧注意です。

参考:「The Daily Mail」、「BBC」、ほか

※当記事は2018年の記事を再掲しています。

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提供元・TOCANA

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