「流行に、乗らない…」の真打はテスラかもしれません。あのビジネスモデルはスニーカーやキャンプブームなどとはレベルが違います。世界がこぞってEV様、テスラ様、マスク様になったのです。私は10年ぐらい前にEVが次の時代の車になると申し上げました。確かにトレンドはそうなっていたのですが、私の誤算はライバルが出なかった点です。BYDがあるじゃないか、と車を知る人はいうかもしれません。が、中国の車は北米と日本では基本的に無理。つまり、テスラに対抗できるEVメーカーが欧米か日本から出れば面白かったのです。が、各社二の足を踏みました。今は書きませんが、理由はいろいろあるでしょう。

Model 3 テスラHPより

テスラの最大の試練はこれから来ます。それは中古車市場が同じ車であふれた時、中古価格が下落し、マーケットバリューが下がるリスクです。もしも中古車市場で車種を選ぶ選択肢があればテスラの特性を生かすということも可能だったのですが、いかんせん、同じ車がタクシーのように並んでいる現状を見て、これはブームだったのだろうと思わずにはいられないのです。

もちろん、好きな方は好きなのです。スニーカーと同じ、ずっと前から好きで自分はブームとは関係なくその商品を愛しているというファン層はぶれません。ただ、上にも書いたように「市場の上積み」はブームで踊らされ生み出された付加分だということを認識しなくていけないのです。

私が以前テスラには乗らない、と断言したのは「流行に、乗らない…」なのです。私は私の信念で消費をします。それがたまたまブームになろうが、マイナーなままであろうが私の満足度を充足してくれるならそれでよいのです。つまり、「みんなが買うから僕も私も…」という消費にはならないのです。それは頑固だからでもなく、興味がないわけでもなく、商品価値を見出していないわけでもありません。単に「流行に飛びつかない」ということを幼少期から身に着けていたから、ということかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年4月16日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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