化石が作られるパターンとは?
化石の作られ方にはいくつかのパターンがありますが、最も基本的なものは、死んだ動植物が堆積物(泥、砂、火山灰など)に埋められることで石化する方法です。
このとき、皮膚や筋肉などの柔らかい軟部組織は微生物によって分解されてなくなり、硬い歯や骨、殻だけが残されます。
ここに堆積物が積もっていくと、堆積物の中のミネラル(石の元となる成分)が歯や骨にゆっくりと染み込み、何百万年もかけて結晶化していきます。
このパターンを「石灰化(Permineralisation)」と呼びます。
このプロセスで骨などは石と同じような硬さとなり、まさに化石と呼ぶべき変化を起こすのです。
これと別に、生物の遺骸が堆積物中に埋まったものの、中で分解されるか溶けてしまったことでその生物の形をした空間だけが3次元的にポッカリと残されることがあります。
こうした鋳型のような化石を「印象化石(Impression fossil)」といいます。
貝殻のような海洋の無脊椎動物や陸上の植物などは、印象化石として残ることが多いようです。
それから樹脂に閉じ込められることで保存される「琥珀(Amber)」というパターンもあります。
樹脂は木の表面を流れ落ちる液体なので、琥珀として残るのは小さな昆虫がほとんどです。
琥珀は生物を丸ごと密閉してくれるので、生きていたままの姿で全体像を知ることができます。
また生物自体の体は残されていないものの、その足跡や巣穴、あるいは糞などが化石化したもの「生痕化石(Trace fossils)」と呼びます。
先の印象化石とよく似ていますが、生痕化石からはその生物がどんな動きをしていたのか、どんな巣に住んでいたのか、何を食べていたのかなどの生態を知ることができます。
そして最も化石化しにくい軟部組織が保存されるケースも稀にあります。
皮膚や筋肉、内臓、体毛、羽毛などは柔らかく分解されやすいので、ほとんど化石として残りません。
しかしながら、死んだ動植物が泥中などの低酸素環境にすばやく密封された場合、そこでは微生物が活動できないので、軟部組織が分解されることなくそのまま残されるのです。
こうした保存のされ方をすると、どんな大きな生物でもまるでミイラのように生前の姿を留めることができます。
実際に過去には、皮膚や消化管までほぼ完全に保存されたノドサウルスの奇跡的なミイラ化石が発見されました。
これは「史上最も完全な保存状態の恐竜」と称されています。
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では最後に、恐竜が死んでから化石化するまでのプロセスを図解で追ってみましょう。