サンフレッチェ広島、浦和レッズOBの槙野智章氏(現ヴィッセル神戸エバンジェリスト)は今月13日、国立競技場で明治安田J1リーグ第8節の町田ゼルビア対神戸を観戦。同氏の解説コメントに対して、神戸OBの大久保嘉人氏をはじめ一部識者から「ちょっとウザイ」という意見が湧き起こる中、フリーアナウンサーの矢萩尚太郎氏が槙野氏の解説から学んだことを述べている。
インターネット動画配信サービス『DAZN』で今月15日から配信されている「やべっちスタジアム」の特別企画「オフ・ザ・ボール解説」の一環として、町田対神戸を現地視察していた槙野氏。両チームともにロングスローやボール奪取直後のカウンターからチャンスを作っていただけに、同氏の解説も白熱。
後半アディショナルタイムの90+6分に、町田がDFイブラヒム・ドレシェヴィッチのゴールで1点差に詰め寄った時に「やっぱり試合終盤に点取る!さあここから面白いよ!残り2,3分」と興奮気味に喋ると、ラストワンプレーのコーナーキックでは「ラストのコーナーキック!耐えたら神戸の勝ち点3、最後引き分けに持って行くのか町田!良いボールが上がった!キーパー突っ込んだ!サイドにどうする?クリア!終わるのか?レフェリーが時計を見た!まだ終わらない?終わった!勝ち点3!武藤嘉紀の2点目が効いた!」と、アナウンサー顔負けの実況でスタジアムの熱気を伝えた。
こうした槙野氏の言動に対して、MCの矢部浩之さんは「槙野さんのオフ・ザ・ボール解説は素晴らしい。裏側が良く見えて勉強になった」と評価した一方で、「皆さんの思っていることを代弁して良いですか?彼、ちょっとウザイ」とやや厳しい意見も。女優の黒木ひかりさんや大久保氏、それに矢萩氏が思わず表情を崩すなど、スタジオが笑いに包まれた。
そんな中、矢萩氏は「槙野さんに対する『ちょっとウザイ』という言葉は、実況アナウンサーという立場で、すごく参考になる面があると思います」と私見を披露。「ラストワンプレーで『今どういう状況で…』『ここでゴールを奪えるのかどうなのか?』とか、ものすごく盛り上がっていたじゃないですか。実況アナウンサーの仕事が奪われるんじゃないかと(思いました)」と感想を述べた。
すると矢部さんは満面の笑みを浮かべながら「いや、大丈夫ですよ」とフォロー。「槙野さんは自己流の表現をするので。(勝負を左右する場面での表現が)上手ですよね」と、解説者としての槙野氏の長所にも言及している。
なお、矢萩氏は北海道北見市出身。2014年から2019年まで北海道放送(HBC)のアナウンサーとして、北海道日本ハムファイターズの試合を中心にスポーツ中継でリポーターや実況を担当。2019年3月のHBC退社以降は、しばらく現場から離れていたものの、2020年10月からフリーアナウンサーとして活動を再開している。
2022シーズン限りで現役を退いた後、神戸のエバンジェリストという肩書きを持ちながら、Jリーグ、海外サッカー、日本代表の試合中継で解説を担当している槙野氏。地上波、ネット問わず様々な番組に出演しているだけに、同氏の独特な表現方法がアナウンサーのお手本にもなっている。