プレミアリーグ(イングランド1部)トッテナム・ホットスパー率いるアンジェ・ポステコグルー監督は、かつて横浜F・マリノスやスコットランド1部セルティックを指揮。セルティック時代には日本代表FW古橋亨梧、FW前田大然、MF旗手怜央らを獲得したほか、MF三笘薫(ブライトン)の獲得にも動いていた。そんなポステコグルー監督による「日本人選手獲得戦略」は、今もなおJリーグクラブに大きな影響を与えているという。
横浜FMをJ1優勝に導いたほか、セルティックでは古橋、前田、旗手を主力選手として扱い、リーグ連覇、スコットランド3冠を成し遂げたポステコグルー。昨年6月にトッテナムの監督に就任すると、プレミアリーグ挑戦1年目の今季も確かな手腕を発揮。チームは第31節終了時点で18勝6分7敗と、来季UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場圏の4位につけている。
2019年からJリーグフットボール本部テクニカルダイレクター・コンサルタントを務めているテリー・ウェストリー氏は、ポステコグルー監督がJリーグにもたらした功績や日本人選手に対する評価の上昇を身をもって感じている模様。今月はじめ、英紙『サン』のインタビューで以下のようなコメントを残している。
「ポステコグルー監督が実践したことは、日本サッカー界に多大な影響を与えた。日本人選手について情報を聞き出すために、私に連絡するクラブの数も増えている。(獲得したい選手と)Jリーグクラブの契約内容や市場価値を尋ねて来る。代理人からも『これは良いように利用できる』と思われている」
「日本人選手は海外クラブで活躍して、再び移籍することにより、自身の価値を高めている。そうすることにより、セルティックは利益を得るが、ブンデスリーガであれ、プレミアリーグであれ、イングランド2部であれ、ますます多くのクラブが日本人選手に目を付けている。ポステコグルー監督が日本人選手の価値を高めるためのきっかけを作ったんだ。前田大然とかそうだけど、セルティックでは日本人選手が活躍しているし、まわりも日本人選手について話している」
「横浜FMを率いていた時もそうだったが、ポステコグルーは試合で先を読んでいたし、明らかに大きなアドバンテージを持っていた」と、オーストラリア人指揮官の能力も絶賛したウェストリー氏。欧州クラブから関心を寄せられている選手の名前は明かさなかったが、日本代表OBの内田篤人氏はMF佐野海舟(鹿島アントラーズ)、DF毎熊晟矢(セレッソ大阪)、AFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選のU23日本代表FW細谷真大(柏レイソル)の海外移籍を予想している。