U23日本代表 写真:Getty Images

 大岩剛監督率いるU23日本代表は、今月開幕のAFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選のグループステージでU23韓国代表と対戦。GK鈴木彩艶(シント=トロイデンVV:STVV)やMF久保建英(レアル・ソシエダ)らA代表歴のある選手を欠くなど、戦前から苦戦が予想されているにも関わらず、韓国メディアは「メンバー構成で日本の方が有利」との見解を示している。

 大韓サッカー協会(KFA)は今月1日にU23韓国代表のメンバーを公式発表。DFキム・ジス(ブレントフォード)、MFヤン・ヒョンジュン(セルティック)、MFペ・ジュノ(ストーク・シティ)、MFキム・ミンウ(デュッセルドルフ)、MFジョン・サンビン(ミネソタ・ユナイテッド)と海外組が5名選出されていたが、ヤン・ヒョンジュンとキム・ジスが所属クラブの事情により招集不可能となったほか、ペ・ジュノの合流時期も不透明だという。

 ただ一方で、U23日本代表もベストメンバーが揃ったとは言えない。MF松木玖生(FC東京)やFW細谷真大(柏レイソル)など国内屈指の有望株にくわえて、海外組ではGK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)、MF佐藤恵允(ブレーメン)、MF山本理仁、MF藤田譲瑠チマ(STVV)、DF内野貴史(デュッセルドルフ)の5名が招集された一方、久保、鈴木彩艶、MF鈴木唯人(ブレンビーIF)、FW福田師王(ボルシアMG)、FW斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)らが所属クラブの事情によりメンバー外となっている。

 韓国のみならず、日本も多くの海外組を欠いているが、韓国メディア『スポーツソウル』は今月10日に「ライバルの日本が海外クラブから5人を借り入れたのに、韓国はなぜ拒否されるのか。不公平だ」という見出しのもと、両国代表のメンバーを比較。

 「日本、中国、UAEと同居するグループステージから難しい試合を強いられる」とパリ五輪本大会出場権獲得への道のりが困難との認識を示した上で、両国の欧州組に関して以下のように綴っている。

 「小久保、内野、佐藤は所属クラブで控え要員だ。山本と藤田は主力選手としてプレーしているが、所属先のSTVVは日本企業が経営している。長期間にわたり日本人選手をたくさん抱えているクラブだ」

 「日本と対照的に、(招集拒否された)韓国は主力が多い。ヤン・ヒョンジュンはセルティックで重宝されており、チームはスコットランド1部リーグで優勝争いを繰り広げている最中だ。ペ・ジュノもイングランド2部リーグでコンスタントにプレーしており、所属クラブは3部降格の危機に瀕している」

 KFAの代表メンバー発表後に欧州組の離脱が相次いでいる韓国。日韓戦を前に同国内で予防線を張る論調が出ているが、協会、所属クラブ間のコミュニケーションに問題があったかどうか検証すべきだ。