ポータブルゲーム機のAYANEO発「Retro Mini PC AM01」

続いて紹介したいのが、ポータブルゲーム機で知られるAYANEO初のデスクトップ型ミニPC「AYANEO Retro Mini PC AM01」。Indiegogoでのプロジェクトは終了済みだが、現在でもモデルによっては同クラファンサイト上で購入可能。日本国内でも取り扱いが始まっている。

Image Credits:AYANEO製品ページ

初代Macintoshをオマージュしたその名の通りのレトロデザインが最大の魅力だが、もちろん見た目だけではない。AMD Ryzen 7 5700Uを搭載、OSは最新のWindows 11 homeで、幅13.2センチとコンパクトながら高い性能と拡張性を有している。背面にはUSB 3.2ポートやHDMI、Displayportがあり、無線LANや周辺機器との接続に便利なWi-FiやBluetoothも標準対応となっている。

AYANEOは中国・深圳で2020年に設立されたポータブルゲーム機ブランドで、設立者のArthur Zhang氏はゲーム愛好家にしてハンドヘルドデバイス愛好家。既存の製品に満足できず、ゲーマーのためのWindowsハンドヘルド製品を作ろうと決意し、AYANEOのチームを結成した。

AYANEO設立者兼CEOのArthur Zhang氏。Image Credits:AYANEO公式サイト

同社のモットーは「本物のゲーマーはゲーマーを知っている」。世界中のゲーマーに最高のゲーム体験を提供すると同時に、世界規模のゲーマーコミュニティを作るという使命を掲げている。

Zhang氏が率いるAYANEOが、ゲーム機以外で自社のインダストリーデザインを活かせる分野を模索し、ミニPCに新規参入。リメイクというコンセプトを織り込みながらデザインしたのが、AYANEO Retro Mini PC AM01である。

ちなみに、ミニPC第二弾「AYANEO Retro Mini PC AM 02」のクラファンプロジェクトも展開されており、現在でも購入可能だ。こちらはクラシックゲーム機を思わせるレトロデザインとなっている。

AYANEOのミニPC第二弾「Retro Mini PC AM02」はゲーム機風。Image Credits:AYANEO製品ページ

クラファンプロジェクト実施中、香港発の「ORION1」シリーズ

最後に、現在プロジェクトを実施している「ORION1」は、香港に拠点を置くHerk Orion社の製品。「他のハードウェアメーカーが向かわないところを目指す」と公言する同社は、最高のサポートと製品革新を維持しつつ、ハードウェアに最上の価値をもたらすとしている。

Image Credits:Indiegogo

大型・複雑で高コストのデスクトップPCはセットアップが煩雑すぎるという理由から、「箱から出せばすぐに使える」ミニPCの開発に着手した。

約17×11×5センチとコンパクトながら膨大なワークロードを処理できる同シリーズには最高スペックの「ORION1 MEGA」から「ORION1 LT」まで5モデルあり、ワークロードや予算に合わせて選ぶことができる。日本円で約6万円から購入可能だ。

学生や社会人、プログラマー、動画編集者など、コンピュータを必要とするすべての人のための製品で、ビジネス、ゲーム、教育、プログラミング、写真・動画編集、3Dモデリング、高精細映像視聴などあらゆるニーズにピッタリとか。

Image Credits:Indiegogo

8K動画視聴時のエンターテイメント体験のためにデュアル10Wステレオスピーカーを採用。フロントポートをデュアル15W USB4.0 Type-Cポートにしたほか、64GB+2TBの大容量メモリを実現。上位2モデルのORION MEGAとORION PROには高性能AMD Ryzen 9 7940HSが搭載されている。

最先端のコンポーネントを搭載したORION1シリーズは、従来のタワーPCの代替品としての役割を十分果たしてくれるだろう。

以上、いわゆる中華系企業のミニPCを紹介した。同分野では中華系企業が多数活躍しており、BeelinkやChuwi、Minisforum、TRIGKEYなどが有名だ。日本語サポートを希望する人は日本語サイトがある企業の製品を選ぶとよいだろう。

(文・根岸志乃)