創業60年、山口県で廃棄物処理業を行う株式会社中特ホールディングス(以下、中特ホールディングス)は、「廃棄物から生み出されたアート作品」を購入できるマーケットプレイス「ACTA+(アクタプラス)」をオープンしました。

アート作品の流通による経済循環を目指して

同社が目指すのは、「廃棄物を素材としたアート作品の流通によって経済を循環させること」だといいます。

SDGsが注目され、「サステナビリティ」という概念が日本社会に浸透しつつあります。

しかし、中特ホールディングスが15年以上続けている、地域の小学校で行われた環境学習において、ゴミの分別や環境問題について考えることは、「しなければいけないから」「しょうがないから」という声があがったそうです。

そこで、感性によって触れることができるアートを起点とすれば、サステナブルな社会への「憧れ」が生まれるのではないか。サステナブル風土の醸成を目指すアート事業「ACTA+」を立ち上げることで、より主体的に、より積極的にサステナビリティを取り組む社会をつくりたいといいます。

同社は2021年より、廃棄物からアートを生み出す公募展「COIL Upcycle Art Contest」を毎年開催。サーキュラーエコノミー(従来の3Rの取り組みに加え、資源投入量や消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化などを通じて付加価値を生み出す経済活動)など、サステナビリティを模索する場として、アートを起点とした独自の取り組みを行ってきたといいます。

公募展開催において国内外の350人を超える応募者を獲得し、述べ400人にも及ぶアーティストとのネットワークを構築してきたそうです。

廃棄物から作られるアート作品

「ACTA+」で販売される作品は、廃棄物の風合いを生かしながら丁寧につくられた“一点もの”。中特ホールディングスがキュレーションしたアーティストの作品が販売されています。

<artificial 【廃デニム】>

人を模すことで、豊さを追い求めた結果、地球を汚し、自らの首を絞めてしまった人類へのアンチテーゼを表現した作品。

<good morning【ペットボトル】>

廃棄ペットボトルを600℃の熱で溶かして構成された作品。外界に触れる時の誕生の興奮を、まだ空と海しかない朝として表現しているそうです。