「僭越ながら」の言い換え・類語表現

最後に、「僭越ながら」の言い換えや類語表現を紹介します。

及ばずながら

「及ばずながら」は「力不足かもしれませんが」「期待に応えられないかもしれませんが」という意味の言葉です。「僭越ながら」が自分の地位や立場に対して使う言葉なのに対して、「及ばずながら」は自分の能力に対して使います。

微力ながら

「微力ながら」も自分の能力に対して使う表現です。「自分の能力が足りないかもしれない」「わずかな力ではありますが…」というように、自分の力量を指してへりくだる表現です。

憚りながら

「憚りながら」は「遠慮しながら」「生意気なことを言いますが」のような意味の表現です。自分よりも地位や立場が上の人に意見を伝えるときに使える表現で、「僭越ながら」と同じように使えます。

出過ぎたことですが

「出過ぎたことですが」は「僭越ながら」とほぼ同じ意味の表現です。自分よりも地位や立場が上の人に意見を言ったり、自分の立場や役割を超えた言動を取ったりするときに、クッション言葉として使います。

恐縮ですが・恐れ入りますが

「恐縮ですが」「恐れ入りますが」は、自分がへりくだり、相手を立てるときに使う表現です。目上の人に意見するときや、相手の厚意を断るときなどによく使われます。

「恐れ入りますが、〇月〇日までにお返事をいただけますか?」のように、相手に何かを依頼するときにも使えます。

失礼を承知のうえで

「失礼を承知のうえで」は、自分がこれから取る言動が失礼であることをわかったうえで、それでも言わなければ(やらなければ)いけないという意味の表現です。目上の人に意見するとき、言いづらいことを言わなければならないときによく使います。

「僭越ながら」は適切なシーンと頻度で使おう


本記事のまとめ



  • 「僭越ながら」は「自分の地位や立場を超えて出過ぎたことをしますが」という意味

  • 僭越ながらは自分に対して使う言葉

  • 言い換えや類語を混ぜながら、適切なシーンと頻度で使おう



「僭越ながら」は「自分の地位や立場を超えて出過ぎたことをしますが」という意味の言葉です。目上の人に意見するとき、自分にふさわしくない大役を任されたときなど、恐縮している気持ちを伝えたいときに使います。

僭越ながらは自分に対して使う言葉です。「僭越ながら、〇〇部長からご指名いただきましたので、挨拶をさせていただきます」のように使うと、相手の立場を下げることになり失礼にあたります。「〇〇部長からご指名をいただきましたので、僭越ながら挨拶をさせていただきます」のように、自分の言動にかかるように使いましょう。

また、「僭越ながら」はやや硬い表現です。類語や言い換え表現も混ぜながら、多用しすぎないように気をつけましょう。