島川俊郎(サガン鳥栖所属時)写真:Getty Images

 徳島ヴォルティスは今月1日、MF島川俊郎の現役引退を公式発表。吉田達磨監督の解任、岡田明彦強化本部長の辞任が正式決定した翌日のリリースに驚きや批判など、様々な声が挙がる中、島川本人が引退決断に至るまでの裏側を語っている。

 現在33歳の島川は、柏レイソルの下部組織時代に吉田監督の指導を受けた後、2009年にベガルタ仙台でプロキャリアをスタート。東京ヴェルディ、ブラウブリッツ秋田、レノファ山口、栃木SCと渡り歩くと、2017年に吉田監督からの誘いに応じる形でヴァンフォーレ甲府へ加入。甲府で2シーズンにわたりプレーした後は、大分トリニータやサガン鳥栖に在籍。今季から徳島でプレーしていたが、吉田監督の解任もあり、リーグ戦全7試合出場も突如スパイクを脱いでいる。

 周囲で様々な憶測が駆け巡る中、島川は2日夜にYouTubeチャンネルを更新。「シーズンが始まったばかり、そしてチームがとても苦しい状況の中、チームを離れること、サッカーをやめること、チームに迷惑をかけてしまったこと、本当に申し訳なく思っています」とファン・サポーターに謝罪すると、引退の理由や過程について以下のように語っている。

 「引退の理由は、どうしても許せないことがあったからです。僕の思いは(岸田一宏)社長に全てぶつけましたし、昨日の朝、チームメイトやコーチングスタッフ、トレーナー、マネージャーの方々には、自分の思いを伝えました」

 「3日前の朝、僕は練習前にひとりでグラウンドを走るんですけど、それを日課にしていて、ただビックリするくらいパワーが湧いてこなくて走ることがもう苦しくてきつくて、これはもうチームの力になれないと、サッカーを続けることは難しいと思い、社長に引退させてくださいと言いました」

 「どうしても許せないこと」の具体的な内容には言及しなかった島川。ただ、Jリーグ公式サイトで2021年8月掲載のインタビュー記事では「(柏の下部組織時代に)達磨さんと出会えたことが一番大きかった」とプロデビュー前の思い出を振り返った上で、吉田監督を「神様みたいな存在」と慕っていたことから、今回の監督交代劇が自身のキャリアに影響を及ぼした可能性が考えられる。