■“ダーク過ぎる”人物は珍しくない
参加者への質問は例えば以下のようなもので、いずれも同意するかしないかが問われた。
「ところどころで手抜きをしなければ物事を前に進めるのは難しい」 「他人がその行いにふさわしい罰を受けているのをたまに見て、少し苛まれることに価値がある」 「私は特別な存在だ。誰もが私をそう評する」
こうした質問にYes or Noで答えることに加えて、自身のネガティブな性格特性を自己申告してもらった。例えば攻撃性や衝動性などである。また自己中心性や非道徳行為についても客観的な手法で計測された。
イギリスの著名な心理学者であるチャールズ・スピアマン(1863-1945)はおよそ100年前に、あるタイプの知能テストで高い成績の者は、別の種類の知能テストでも高い成績を収める傾向があることを突き止め、それを“Gファクター”と名づけた。
研究チームは今回の研究で、スピアマンのGファクターと同じように、ある“ダーク人格”が強く現れている者は、ほかのダークな人格特性も強くなる傾向があることを導き出し、その共通因子を“Dファクター”と名づけた。
「(Gファクターと)同じように、人間の性格のダークな側面にも共通の分母があります。つまり、知性と同様に、それらはすべて同じ性質的な傾向を表しています」と研究チームのインゴ・ゼッター氏は説明している。
つまり、ナルシストであると同時にサディストであり、さらにエゴイストでもあるという“ダーク過ぎる”人物は決して珍しくはないということになる。前出の9つのダークな性格特性はどれが強く現れるにせよ、根っこではつながっているのである。
今回のDファクターの発見によってダークな性格特性を持つ者への理解が深まったことは、研究者とセラピストに重要な意味を持つという。
「たとえば(Dファクターは)極端な暴力や法令違反、嘘、企業や公的部門で発生する詐欺や汚職の原因になり得ます。今回のDファックターに関する知識は、たとえば(刑務所出所者の)再犯やより有害な行動をとる可能性を査定する有用なツールとなり得ます」(インゴ・ゼッター氏)
ひょっとして自分はDファクターが高いのではないか、と思うフシがある向きは心穏やかではないかもしれない(!?)が、我々のパーソナリティーが丸裸にされる日はそう遠くないのかもしれない。
参考:「Daily Mail」、「Science Daily」、ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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