大手電力の原発回帰と出力制御に歯止めかかるか
地熱発電の適地は国立公園や温泉地付近に多いことも開発が進まなかった理由だ。
「温泉の層は地下200~300メートルの浅い層で、地熱発電は1000メートルよりも深い層になるので、温泉には影響がない。温泉業者や地元との交渉ではそのことを丁寧に説明させていただいている。また、温泉モニタリングなどに影響が出ないよう調査しながら開発を進めている。今回は先行事業者がいたので、小国町の行政に入っていただき、5者間で開発のルールを決めた。乱開発にだけはならないように気を付けている。地域再生になるよう熱水利用として地熱のハウス栽培や養殖など、2次展開も今後できればと考えている」(正岡氏)
小国町で発電した電気は固定価格買取制度(FIT)を利用して九州電力に売電される。近年、太陽光発電の導入量が急増した結果、一昨年あたりから「出力制御」が増加しているが、九州電力はその筆頭だ。太陽光や風力は出力が不安定なため、あまり系統連系させたくないのではと大手電力の本音を推測する向きもある。再生可能エネルギーの中で出力が安定しているのは水力と地熱であり、大手電力はそうした言い訳ができないだろう。エネルギー代高騰により、世論には原発回帰の動きも見えるが、地熱発電量が増えれば、そんな流れは吹き飛ぶかもしれない。
町おこしエネルギーはすでに全国30カ所以上で掘削許可を得ているといい、フランチャイズへの申し込みは今も続いているそうだ。
(文=横山渉/ジャーナリスト)
提供元・Business Journal
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