■真意と動機は謎のまま

「ニューヨーク・タイムズ」が彼女の話を注意深く検証した結果、その話は嘘であることが確認された。同紙はタニアはワールドトレードセンターに勤務しておらず、テロの日にはアメリカにさえいなかったことを突き止めたのだ。

 タニア・ヘッドの本名はアリシア・エステベ・ヘッドで、スペイン出身の彼女は事件が起きた時はバルセロナのESADEビジネススクールで学んでいたのだった。アリシア(タニア)はスペインの裕福な家庭に生まれ、マヨルカ島で何自由なく育った人物であった。

 ノースタワーにいて亡くなったパートナーはもちろん実在の人物であったが、故人を知る者はアリシアのことについては何も知らないと証言した。

“911の生存者”だと偽った女性は何を目論んでいたのか
(画像=画像は「YouTube」より,『TOCANA』より 引用)

 人々がアリシアの自作自演を知ったとき、生存者たちの多くは衝撃を受け動揺した。ある者はたとえ彼女の支援が嘘に基づいていたとしても、彼女が自分たちを助けてくれた事実を無視することはできないと語った。嘘が暴露されても、アリシアへの支持を止めない生存者は少なくなかったのである。アリシアの精力的な働きぶりなくして今日の生存者ネットワークは存在していなかったというのだ。

 アリシア、あるいはタニアはこの暴露の後、世間の目から姿を消した。スペインの「エル・パイス」紙は、彼女が今もバルセロナの自宅に住んでいると報じたが、これが真実かどうかは確認されていない。

 英「インディペンデント」紙はSNS「LinkedIn」で彼女のものと思われるプロフィールを見つけた。それによると、彼女は今もESADEビジネススクールに在籍し、ニューヨークに住んでいるという。しかし同紙が同校に彼女について尋ねたところ返答はなかった。彼女は今どこにいるのだろうか。そして“タニア・ヘッド”の真意と動機は何だったのか。彼女の背後に首謀者がいたという“陰謀論”はこの場合は考え難いかもしれない。

参考:「Howandwhys」ほか

文=仲田しんじ

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

提供元・TOCANA

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?