せめて老後貧乏は避けたい!資産運用と節税が鍵
都心では世帯年収1,000万円超えでも、貯蓄することが難しく老後破産するようなケースもある。教育費などがかさみ現役時代は生活が苦しいかもしれない。
しかし、せめて老後豊かな生活を送るために、少額からでも資産運用をしたり、節税したりすることが必要だ。
資産運用方法
資産運用方法としてまず活用したいのが、2024年から新制度に変わったNISA制度だ。新NISA制度を活用すると、年間最大360万円の枠で運用が可能で、通常利益に対して約20%かかる税金が非課税になる。
新NISAになり、合計で1,800万円(成長投資枠は1,200万円)まで無期限で運用できるようになった。つみたて投資であれば、月1,000円からでも始めることができるため、少額から運用を始めてみたい方におすすめだ。
また、老後資金を作るためにはiDeCoの活用もおすすめだ。iDeCoは原則60歳を超えるまで引き出しできないのが難点だが、強制的に老後資金を作る点でいうとメリットがある。
また、利益に対する税金が非課税になるのに加えて、掛金が全額所得控除になり、受け取るときも「退職所得控除」または「公的年金等控除」の対象になるのも魅力だ。
フレキシブルに運用できる新NISAで運用を始め、余裕がある場合にはiDeCoも活用すると良いだろう。
節税方法
節税方法として、住宅ローン控除や生命保険料控除、医療費控除など活用できるものは漏れなく年末調整や確定申告で申請するのが大事だ。例えば、住宅ローン控除は条件に当てはまれば、年間最大31.5万円還元される(令和6年または7年に入居した場合)。
これらは自分で申請しない限り節税できないので、対象になる場合は忘れないようにしたいものだ。
また、節税ではないが「ふるさと納税」もおすすめだ。自己負担2,000円を上乗せして自分の故郷や応援したい自治体に寄付すると、所得税の還付や住民税の控除を受けることができ、さらに返礼品として特産物を受け取ることができる。
返礼品には米や肉、海産物、フルーツ、酒などがあるので、制度を活用することで食費を減らすことも可能だ。
文・勝目麻希(ファイナンシャル・プランナー)
新卒で総合職としてメガバンクに入行し、法人融資・金融商品販売等を担当。転職・結婚・出産を経て一時は専業主婦になったが、自分の金融知識や実務経験を活かしたいと独学でライターの道へ。現在はファイナンシャルプランナーの知識を活かして金融系メディアを中心に執筆。