巨大な高級時計のECサイト“Chrono 24(クロノ24)”が、2023年1年間における取引量に基づいたデータを先日公表した。興味深い内容だったため今回はそれについて取り上げてみたいと思う。
まず、Chrono24について簡単に紹介すると、ドイツ、カールスルーエに本拠を構え、月間900万人が利用する世界最大級の高級腕時計のマーケットプレイスである。実は筆者も探していたIWCの8541というオールドムーヴメントを使った1990年頃の腕時計を購入したことがある。
つまり、販売されている商品は、新品はもちろんだが、中古やアンティークウオッチまでと幅広く、どちらかというと2次流通市場での販売データとなる。
今回、筆者が特に注目したのはその中のブランド別のランキングである。掲載した表をご覧いただきたい。Chrono24での全体取引量に対するブランドのシェア率を高い順に並べたものだ。
もちろん1位はロレックスなのだが、その数値を見ると2021年以降から毎年1ポイント以上も下げているではないか。そのため2位のオメガとの差も縮小傾向なのがわかる。
資料にその理由について言及されていなかったため正確なことはわからないが、取引量ということであればコロナ禍の異常な市場価格の高騰が理由のひとつに挙げられるだろう。現にコロナ禍の日本の並行輸入市場でもロレックスの売り上げ自体は伸びているものの、販売本数で見ると減っているという話をよく聞いた。
新品価格の高騰から中古や旧型までもがかなり上がってしまった現状を考えると、ECサイトでの取引量自体が減っても何ら不思議ではない。つまりロレックス人気が落ちているというよりも、価格的な要因が大きいように感じる。
さて、このランキングデータでもうひとつ特筆すべき点がある。それは日本勢だ。3位にセイコー、9位にシチズンがランクインし、しかも両者ともにシェア率を伸ばしているというのも驚きである。
提供元・Watch LIFE NEWS
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