さて演奏会。
現代作曲家アンナ・ソルヴァルドスドティール(って読むの?Thorvaldsdottir。北欧難しすぎる・・・)の、22年にできた”Archora”の、フランス初披露。飽きることもない洗練されたコンテンポラリー音楽。オルガンやパーカッション群の使い方面白い。作曲家も現れてご挨拶。
次は、ショパンのピアノコンツェルト1番、ソリストはダニール・トリフォノフ。
過去2度聴いてて、上手のは分かるけれど感情はそれほど揺さぶられななかった、ちょっと相性悪い人気ピアニスト。
今夜は、木管的で柔らかなピアノの響きで、丁寧に、哀愁と諦念を感じる演奏。ただやっぱり、一音一音の響きに魂を感じづらい。拳を効かせて悦に入っちゃう彼の雰囲気が、多分あまり好みじゃない。過去2回に比べたら悪くはないけれど・・。
オケは、出だしから重たい。重たいし、冗長。もちょっとコンパクトな感じの方が、この曲にもトリフォノフにも合ってるんじゃないかな。
アンコール、モンポウによるショパン28-7の変奏曲。オリジナルを聴くと、日本人は太田胃散を思い出し、バレエ好きは”ザ・コンサート”のコメディー2シーンを思い出す♪
20分くらいの曲を、どっぷり自分の世界に浸って奏でるトリフォノフ。音源でも聴いたことなく初体験、おもいっいり溜めを効かせたジャズっぽさも感じる演奏を、「上のラウンジでカクテル飲みながら聴きたい雰囲気」と言うと、知人は「でも、演奏会としてはちょっと・・・」と口をへの字にする。家に戻って音源で聴き直したら、知人が言った言葉がよくわかった(笑)。
後半は、シュトラウス”英雄の生涯”。大好物♪
なのに、出だしからがっかり。冒頭のホルンと低弦が揃わず、英雄が3~4人いるように聞こえてしまう。揃うべきところが揃わず、その度に高揚が削がれがっくりする。敵との戦いの部分は、マケラ渾身の指揮に乗り、勢いと高らかさと激しさで聞き応えあり。マケラが将軍に見えて、素晴らしかった。