■商品名が既に面白い

こちらの「メタルバナナ」は2016年より発売され、2020年からは「バナナハンマー」として販売されている製品。

海外輸出される200本の国産バナナ、どう見てもおかしい… 完全に「天才の発明」と話題
(画像=『Sirabee』より引用)

素材はブロンズで、用途についてキャステム社員・池田真一さんは「キャンプ時にペグを打つなど、商品名通りハンマーとして使われているお客様もおられます。また最近では、トラベラーズノートのペーパーウェイトとして使われることも増えてきました」と説明する。

使用時の絵面を連想するだけで面白すぎる逸品だが、じつは「思いもよらぬ苦労」を経験しているようで…。

■この会社、完全にノリノリである

念のため説明しておくと、キャステムは決して「メタリックなバナナの製造」が本業の会社ではない。培った「精密鋳造」の技術を駆使してロケット部品や医療機器部品など、あらゆる産業の精密な金属部品を製造しているのだ。

しかしある日、社員らの胸に「その技術を使って、一般の方向けの商品開発ができないか…」という思いが芽生え始める。

そして2016年、同社に誕生した「商品開発部署」内で「精密に金属化できる本業の技術を用いて、身近な果物や野菜を忠実にメタル化したら面白いのでは?」という意見が飛び出し、かくしてメタルバナナが爆誕したのだ。

完全にノリノリのキャステムだが、現実は全く甘くなかった模様。池田さんは「全く売れずでして…売れても、年間数本しか売れない商品でした」と苦笑いを見せる。

そこで2020年に心機一転、商品名を「メタルバナナ」から「バナナハンマー」に変更することに。その際に「凍らさなくても釘が打てる」と、ハンマー要素に振り切ったアピールが功を奏したのか、世界中に紹介記事が拡散されていったのだ。