機体は米国で解体されることになっている
乗組員はベネズエラ人が14名とイラン人が5名という構成。彼らは入国は許可されていないのでパスポートは没収された。イラン人が搭乗しているというのは、もともと同機はイランのMahan 航空の機体で、それをベネズエラが購入したので、その操縦などを指導する目的でイラン人が搭乗していたという説明だった。
ベネズエラはラテンアメリカでイランと最も親密な関係を持っている国なので、イランから飛行機を購入するというのは異例ではない。
同月17日、アルゼンチンの連邦警察は機内を検査して不審と思われるものがないか調査。また、イラン人の乗務員もテロリストではないことも判明。
同月19日、米国ニューヨーク・コロンビア地区の法廷からMahan 機も制裁の対象にされていることから機体の第3国への販売は禁止されていたのを違反したというのを理由に同機の押収命令が下された。
同月27日、担当判事ビリェナ氏はベネズエラ人へのパスポートの返却を許可。しかし、イラン人のパスポートは依然保留された。
8月2日と5日、ビリェナ判事は同機の米国への移送を許可した。
今年2月12日、同機は米国に向けて移送された。最終的に機体は解体されることになっている。
このような事態が発生して、マドゥロ大統領はアルゼンチンは米国の下僕だとして、アルゼンチン機がベネズエラ人の上空を通することを禁止するという手段に訴えたのである。
アルゼンチンは今年1月からミレイ大統領が執務についてから外交姿勢が180度転換。それまでのキルチネール派政権はベネズエラとも良好な関係を維持していた。ところが、ミレイ大統領は共産主義国や独裁国との関係は極力避けたいという姿勢から欧米に追随する外交に転換。その結果が今回の出来事である。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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