ファビオ・カリーレ監督の二重契約を巡る問題で、V・ファーレン長崎から提訴されているブラジル2部サントスFC。国際サッカー連盟(FIFA)からの補強禁止処分や、13億円支払いの可能性が報じられる中、MFディエゴ・ピトゥカ(元鹿島アントラーズ)やMFジョアン・シミッチ(元川崎フロンターレ)につづき、元Jリーガー獲得の可能性が取り沙汰されている。
ブラジルメディア『Tudo Sobre Paulista』が今月9日に報じたところによると、サントスはブラジル2部ミラソウFC所属FWデラトーレの獲得に興味を示しており、今後クラブと選手サイドの交渉が進む可能性があるとのこと。同選手は2022年3月から昨年12月までモンテディオ山形でプレー。2023シーズンのJ2リーグ最終節ヴァンフォーレ甲府戦での劇的ゴールにより、チームをJ1昇格プレーオフに導いたが、契約更新を勝ち取れず。それでもミラソウの一員として迎えた2024シーズンのサンパウロ州選手権では、12試合中10試合にスタメン出場して7ゴールをマークしている。
一方、サントスは昨季終了後にピトゥカやシミッチを移籍金ゼロで獲得。両選手が中盤の絶対的レギュラーとして活躍する中、サンパウロ州選手権で準優勝。同選手権のベストイレブンに元Jリーガー2名が選出されている。
ただ、サントスは新戦力獲得の前に解決すべき問題を抱えている。同クラブは昨年末に長崎からカリーレ監督を“強奪”。長崎が今年2月15日に「カリーレ監督及びレアンドロコーチ・デニスコーチ・セザールコーチからの契約破棄に伴う違約金等の請求に関して、2月15日にFIFAへの提訴が完了したことをお知らせいたします」と声明を発表したほか、サントスの専門サイト『Diario Do Peixe』は、サントスが敗訴の場合に違約金として450万ドル(約6億6400万円)の支払いに迫られる可能性を伝えている。
この監督問題にくわえて、ブラジルメディア『グローボ』は今年2月27日、移籍金未払い問題によりFIFAがサントスに補強禁止処分が科す可能性を報道。同クラブは2019年2月にロシア1部クラスノダールからペルー代表MFクリスティアン・クエバを獲得したが、移籍金2000万レアル(約6億円)の支払いが完了していないという。
今季好スタートを切った一方、総額で12億円以上の負債を抱える可能性があるサントス。今月19日のブラジル2部リーグ戦開幕を前に、デラトーレを獲得するだけの余裕があるのか疑問符が付く。