渡井理己 写真:Getty Images

 徳島ヴォルティスは3月31日から4月1日にかけて、吉田達磨監督の解任、岡田明彦強化本部長の辞任、MF島川俊郎の現役引退を公式発表。MF西谷和希に対するクラブの“不遇”対応や、明治安田J2リーグ第7節ザスパ群馬戦後にFW柿谷曜一朗が残したコメントにも注目が集まる中、徳島からポルトガル1部ボアヴィスタへ期限付き移籍中のMF渡井理己の投稿が話題を呼んでいるようだ。

 リカルド・ロドリゲス、ダニエル・ポヤトス、ベニャート・ラバインとスペイン人路線を続けてきたものの、昨年夏に吉田氏を招へいした徳島。日本人指揮官のもとで今シーズンに臨んだが、J2リーグ7試合で1勝1分5敗とスタートダッシュに失敗している。

 J2最下位に沈んでいるだけに、チーム内部での不協和音も垣間見える。チームが先月13日開催のYBCルヴァンカップ1回戦でAC長野パルセイロに1-5で敗れると、試合翌日に西谷がインスタグラムで「ヴォルティス本来のスタイルを取り戻すことが勝つための道しるべになります。ヴォルティスのスタイルこそが最高で最強です。自信を持って堂々と言えます。必ず取り戻します。そのためにも自分のできることを全力でやり続けます」と投稿。同選手は不適切と捉えられる発言により、全体練習が外れているという。

 また、3月30日にホームで行われた群馬との“裏天王山”で敗れた後、柿谷は「間違いなく達磨さんが試合に向けて準備してきたことが、今はめちゃくちゃ出てきていると思う。言葉が悪いかもしれませんけど、最初とは違う。面白いくらいに選手はまとまっていて、見てもらいたい」と、チームの結束力を強調。しかし、同選手のコメントとは裏腹に、吉田監督や岡田強化本部長がチームを離れたほか、島川が突如現役引退。

 島川は2日夜、自身のYouTubeチャンネルを通じて「引退の理由は、どうしても許せないことがあったからです。僕の思いは(岸田一宏)社長に全てぶつけましたし、昨日の朝、チームメイトやコーチングスタッフ、トレーナー、マネージャーの方々には、自分の思いを伝えました」とファン・サポーターに報告している。

 そんな中、渡井は株式会社『フィナンシェ(FiNANCiE)』のトークンコミュニティで徳島サポーターにメッセージを送った模様。ネット上では、コミュニティに参加者とみられるSNSユーザーから「渡井、ありがとう!」「自分も苦しいのに、徳島を気にかけてくれて、サポーターに寄り添ってくれる」「渡井は俺たちの味方」といった声が挙がっているほか、「渡井、夏に復帰して」と同選手の徳島復帰待望論も湧き起こっている。

 なお、渡井は2018年に静岡学園高校から徳島へ入団。高卒2年目の2019シーズンから出場機会を確保すると、2020シーズンにはMF岩尾憲らとともにJ1昇格に貢献。2022年7月にボアヴィスタへ期限付き移籍しているが、今季はここまでリーグ戦9試合の出場にとどまっている。