徳島ヴォルティス 写真:Getty Images

 徳島ヴォルティスは3月31日に吉田達磨監督の解任、岡田明彦強化本部長の辞任を公式発表すると、翌日にMF島川俊郎の現役引退を公式発表。X(旧ツイッター)上では、島川からアカウントをブロックされたという徳島サポーターからの報告が相次いでいるほか、吉田監督と島川の関係性もクローズアップされている。

 現在33歳の島川は、柏レイソルの下部組織時代に吉田監督の指導を受けた後、2009年にベガルタ仙台でプロキャリアをスタート。東京ヴェルディ、ブラウブリッツ秋田、レノファ山口、栃木SCと渡り歩き、2017年に吉田監督からの誘いに応じる形でヴァンフォーレ甲府へ加入。甲府で2シーズンにわたりプレーした後は、大分トリニータやサガン鳥栖に在籍。昨季終了後に鳥栖を契約満了により退団していた。

 今年1月に徳島へ加入したことにより、吉田監督との再会を果たした島川。今季はリーグ戦4試合で途中出場、3試合でスタメン出場と、チームが下位に低迷する中でも奮闘していたが、吉田監督の解任もありシーズン途中で現役引退。クラブ公式サイトを通じて「チームの状況が大変な中で自分勝手な決断でチームに迷惑を掛けて申し訳なく思っています。徳島ヴォルティスがもっと強く大きなクラブになることを心から願っています」とファン・サポーターにメッセージを送っている。

 吉田監督とともにチームに別れを告げた島川。Jリーグ公式サイトによると、島川は2021年8月掲載のインタビュー記事で「(柏の下部組織時代に)達磨さんと出会えたことが一番大きかった」「サッカーと向き合う姿勢だったり、1人の人間としてあるべき姿を教えてもらった」「神様みたいな存在」と、吉田監督を慕っていたという。

 そんな吉田監督は、今季開幕当初から成績不振によりファン・サポーターから批判を浴びていた。また、3月30日の明治安田J2リーグ第7節ザスパ群馬戦で敗れると、試合後にクラブ経営陣がゴール裏のファン・サポーターから同監督の進退決断で10分間の猶予を与えられると、監督交代を明言している。

 2021年8月掲載のインタビュー記事における島川の言葉は、現役引退発表直後にXで瞬く間に拡散。「吉田監督の解任で現役引退を決断したのでは?」といった憶測が飛び交う中、「島川からブロックされた」という投稿が相次いでいる。また、ブロックされた背景については「吉田監督に対する徳島サポーターの批判が原因なのでは?」「島川への批判や誹謗中傷はあったのかな?」「島川が徳島サポーターをブロックする気持ちも分かる」「西谷や柿谷との関係が気になる…」「チーム内でも、吉田派と反吉田派で分かれていたのでは?」といった声が飛んでいる。

 不適切と捉えられる発言により、全体練習が外されたMF西谷和希の現状、FW柿谷曜一朗が群馬戦後に発した「選手はまとまっている」というコメント、Xにおける島川の行為等に注目が集まっているが、真相は闇に包まれたままだ。