ワンポイントアドバイス:現在のニューヨークの不動産市場
ニューヨークの不動産市場の最新動向をご紹介します。
年末年始に住宅ローン金利が若干低下して以降、買い手が戻りつつあります。販売価格の中央値が上昇しているのは、売れ残っている高級住宅が中央値を押し上げているのが主な原因です。ニューヨーク市の販売在庫数は持続的な減少により供給が限られている事から、売り手が有利な傾向にあります。
新規開発物件が好調です。中古物件在庫の少なさと人件費、材料費の高騰により、住宅の改修にかかる費用が高くなっているのを考慮すると、すぐに入居可能でアメニティに富んだ新築コンドミニアムは、買い手にとって大変魅力的です。
ニューヨークの必須設備トップ5のうちの4つである、室内洗濯機、食洗機、エレベーター、ドアマンを備え、さらに建物内にジムやプールがある「アメニティ・リッチ」なスポンサー・コンドミニアムは、これらの人気設備がない類似の中古コンドミニアムを37%程上回る価格で販売されました。一方、新規開発物件の供給は今後数年で減速する見通しで、購入者間の競争が激化しています。また、昨年より継続している家賃の上昇により、所有者が売却より賃貸する傾向にあり、より多くの賃貸物件が市場に出回っています。
今後の見通し
今年は大統領選挙があり、選挙後の経済・住宅ローン金利等、住宅市場の動向を予測することは困難であるため、歴史的に投資家は選挙の年に買い控える傾向にあります。しかしながら、他の投資と比較すると、ニューヨークの不動産は市場が底堅い為、2024年には株式や債券よりも不動産の方が安定した投資先と考える投資家も多いでしょう。逆に外国人バイヤーにとっては買い控える可能性が高まります。トランプ前政権時代に標的とされた国々からの外国人バイヤーが、選挙が終わるまでニューヨーク市の不動産への投資をためらう可能性があり、そうなると不動産市場への影響は大きいです。昨年外国人バイヤーの数は、ニューヨーク不動産取引全体のおよそ三分の一を占め、その多くがオール現金取引でした。
(山木 奈美/ナミ・ニューヨーク不動産代表 問い合わせ https://nami-newyork.com/inquiry/)