■犯罪組織が実効支配する“メキシコのチェルノブイリ”
トラホムルコ・デ・ズーニガはグアダラハラからコリマに行く中継地であり、CJNGにとって最も重要な地域の一つであるという。
2023年5月、メキシコ軍は同地のCJNGの隠れ家から女性を救出した。その1カ月後、ハリスコ州司法長官事務所と地元警察の6人の捜査官が、遺体を見つけるべく捜査しようとした際に団地エリアに仕掛けられた“罠”によって死亡する事件が起きている。
2018年には同地で157人の死体が積まれたトレーラーが放置されていた。「El Financiero」紙の報道によれば、ハリスコ州検察が犯罪組織同士の抗争で死亡した身元不明の157人の死体を乗せたトレーラーを発見、確保した。団地の空き地に放置されたトレーラーはひどい腐敗臭が漂い血も流れ出ていたという。
メキシコで最も危険な麻薬カルテルと考えられているCJNGは本格的に金融犯罪に取り組んでいるといわれ、インターポール(国際刑事警察機構)の監視対象にもなっている。
インターポールによると、CJNGとその他の組織犯罪グループは、AI、大規模な言語モデル、仮想通貨を利用して「より高度で専門的な詐欺キャンペーン」を行っているという。またCJNGと他のラテンアメリカの犯罪組織が金融詐欺で連携している新たな証拠があるとも述べている。
絶対に立ち入ってはならない場所である“メキシコのチェルノブイリ”に平和が訪れる日はやってくるのだろうか。戦時下ではないにもかかわらず犯罪組織が実効支配する地域がこの現代にも実際に存在しているのだ。
参考:「Daily Star」、「Infobae」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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