英紙「The Daily Mail」(2018年9月3日付)によると、インド・ニューデリー近郊の工場で働いているドリル作業員、サティーシュ・クマールさん(32)は、ドリルの破片が胸に突き刺さる事故に遭ってフォーティス病院に搬送された。破片は長さ4センチの金属片で、心臓にめり込み、辛うじて動脈を避けている状態だった。これを見た医師は、銃で心臓に撃ち抜かれたようだと驚いたという。

 そして、ヴァイバヴ・ミシュラ博士率いる外科医たちによって心臓から金属片を取り除く緊急手術が行われた。現在、手術の様子を収めた90秒間の映像がネット上に公開されている。

 ドクドクと鼓動する心臓には、小さな穴が空き、その奥にドリルの破片がめり込んでいる。医師は、ピンセットを使って慎重に穴から金属片を摘出した。傷口から血が滲むものの、心臓の動きは止まらない――手術は成功だ。この後、医師たちは穴が空いた左心室を修復。4日後、クマールさんは歩けるようになって無事に帰宅することができたという。

 実は、クマールさんが心臓を負傷したのは2週間以上前のこと。フォーティス病院にやって来るまでの間、すでに彼は大量の血液を失っており、生命の危機に瀕していた。金属片は、心臓に血液を供給する冠状動脈の1つから、わずか数ミリ離れたところに存在した。そんなクマールさんは5つの病院をたらい回しにされ、どこの病院でも「助からない」と言われたそうだ。しかし、ミシュラ博士と同僚たちは、果敢にも手術に挑んだ。博士は手術の様子を次のように振り返る。

「高速で金属片がめり込むと、一般的には死にます。銃で撃たれる状況と似ているからです。幸いにも、(今回のケースでは)金属片によって穴が塞がっていました。そのため、命に関わる出血から心臓が守られており、私たちは心臓の深部に入り込んだ金属片を取り出すことができました」

 5つの病院から見放されたクマールさんは、ミシュラ博士と出会えたことで奇跡的に一命をとりとめた。グロテスクな動画の背後には、感動的なストーリーがあったのだ。

参考:「The Daily Mail」、ほか

※当記事は2018年の記事を再掲しています。

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提供元・TOCANA

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