2024年2月12日、兵庫県尼崎市のドミノ・ピザ尼崎店にて、アルバイト従業員が自らの鼻くそをピザ生地にこすり付けるような動きをしたのを撮影した動画がX(旧Twitter)に投稿された。この動画が瞬く間に拡散されて炎上したことを受けて、同日夜、ドミノ・ピザは公式アカウントで謝罪を発表した。当該店舗内のピザ生地をすべて廃棄処分し、当該店舗も営業停止した上、動画に関係した従業員に対する厳正な法的措置も検討中であるという。
このように、職場で不適切な行為を撮影してSNSなどに投稿して炎上するアルバイト従業員は「バイトテロ」と呼ばれる。バイトテロは、企業イメージの低下や商品・備品の交換、店舗の閉店などが発生させ、甚大な損害を企業にもたらす。一方、バイトテロの実行者や撮影者は、企業から巨額の損害賠償を請求されたり、信用毀損罪や業務妨害罪などで刑事告訴されたりして、その後の人生を狂わされることが多い。
スマートフォンが普及して誰でも手軽に動画や写真を撮影できるようになった現代では、「目立ちたい」という承認欲求や自己顕示欲が肥大化しやすい。これがバイトテロを引き起こしていると指摘される。もっとも、撮影がきっかけで破滅するのはバイトテロだけではない。
海外の動画共有サイト「TheWorldWatch」には、高層ビルの屋上でTikTok動画を撮影しようとした男性が転落する瞬間を捉えた動画が公開されている。中国で起こった悲劇だという。
監視カメラ映像には、屋上の手すりに腰かけた男性の姿が映っている。彼はバランスを崩して落下しそうになるが、何とか片手で手すりを掴んだ。しかし、体重を支えられず、そのまま画面から消えてしまった。ビルの下から撮影された動画では、人々の叫び声が響き渡る中、男性が屋上から落下していく一部始終を見ることができる。解説では、彼は重傷を負ってその場で死亡したとされる。
2024年1月27日には、米ユタ州ムーンスケープ・オーバールック付近で、見晴らしの良い崖の端から友人と写真を撮ろうとした十代少年が転落死する事故が起こった。死亡したのは、写真が趣味のジョナサン・フィールディングさん(19)だ。米紙『New York Post』などによると、彼の訃報を知った家族は、彼の死は突然だったが、彼が好きなことをして命を落としたことを受け入れ、「彼は大好きだった美しいユタ州の荒野で友人たちと写真撮影をしていました」と語ったという。
動画や写真を撮影するのが手軽になったことで、リスクを度外視して危険もしくは違法な撮影を行う人々が増え、このことが社会問題化している。文明の利器に翻弄されないためにも、自分が何を撮影し、それによってどのような影響が生じるのかを、常に考える必要がある。
参考:「TheWorldWatch」、「New York Post」、ほか
文=標葉実則
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提供元・TOCANA
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