最強家族プログラム

 資金繰り悪化への懸念を払しょくするためにも、携帯電話事業の黒字化は急務だ。楽天Gが契約者増の起爆剤として2月に打ち出したのが「最強家族プログラム」だ。家族で「Rakuten最強プラン」に加入すると、1回線あたり月額110円(税込、以下同)の割引が適用されるというもの。

      通常(月額) 割引後(月額)
・3GBまで  1078円     968円
・20GBまで 2178円     2068円
・無制限  3278円     3168円

 紹介者には家族一人を紹介するごとに7000ポイント、被紹介者には1万3000ポイント(MNPの場合)が還元されるため、家族6人で加入すると計10万ポイントが還元される。仮に全員が3GBまでのプランを契約すると968円×6人×12カ月で6万9696円となるため、実質1年間無料となる計算だ。

「そもそも楽天モバイルを選択するユーザは『安さ』を重視しており、自ずと楽天モバイルのARPUは他キャリアと比較して低くなる。そのため楽天モバイルはARPUの底上げを図ろうとしているが、今回の『最強家族プログラム』は逆にARPUの低下につながる。(先月)14日の会見でその点について質問を受けた楽天Gの三木谷浩史会長は『必ずしもARPU低下にはつながらないと思っている』と、暗にARPUの低下の可能性があることを認める発言をしている。楽天モバイルとしてはARPUを引き上げたい一方、ECの楽天市場や金融をはじめとする楽天の各種サービスとの相乗効果を高めるにも、また基地局設置などに投下した設備投資の効果を高めるためにも、大幅に契約者を増やさなければならないため、さらにお値打ち感のあるプランを打ち出さざるを得ないという板挟みの状況になっている」(大手キャリア関係者/2月16日付当サイト記事より)

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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