今回の環境汚染は泡消火剤が原因か

多摩地域の井戸水の汚染源は不明だが、米軍横田基地(福生市など)内で長年にわたり大量のPFASを含む泡消火剤が土壌に漏出したとする報道もあり、関連が疑われている。神奈川県や沖縄県内の米軍基地内や周辺でも、高濃度での検出が相次いで発覚している。

「空港などでの火災に対応するための泡消火剤というのは特殊な消火剤で、身の回りの消火剤にはPFASはまったく入っていない。自衛隊もそうだが、軍関係や空港など、泡消火剤を使っているところがPFASで汚染されている事例は、日本だけでなく海外でも山ほど出ている。ただ、今回の原因がすべて横田基地だとはいえないにしても、原因の1つである可能性が高い」(原田氏)

PFASを含む泡消火剤で土壌汚染した場合、数十年かけて地下水まで浸透する。それが今、井戸水などに含まれているのかもしれない。環境省は1月30日、PFASへの対応策を検討する「総合戦略検討専門家会議」の初会合を開いた。国民向けに「Q&A集」をつくり、健康への影響など現時点でわかっている情報を発信していくとしている。PFASに関する国内の議論や政府の取り組みは始まったばかりだ。

(文=横山渉/ジャーナリスト、協力=原田浩二/京都大学大学院准教授)

提供元・Business Journal

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