トルステン・フィンク監督 写真:Getty Images

 かつてヴィッセル神戸を率いていたトルステン・フィンク氏は、今季限りでベルギー1部シント=トロイデンVV(STVV)の監督を退任し、来季から日本代表FW伊東純也の古巣であるKRCヘンクを指揮することで合意に達した模様。今月27日、『Voetbal』をはじめ複数のベルギーメディアが一斉に伝えている。

 フィンク監督はSTVVとの契約を2025年6月まで残す中、以前から今夏退団の可能性が取り沙汰されていた。また、ベルギー紙『HBVL』は今季最終戦の前日である24日に「フィンク氏はヘンク監督就任で合意間近だ。彼は27日にも自身の進退について発表する」と伝えていた。

 すると、フィンク監督本人は26日の今季最終戦(対KAAヘント)後にSTVV退団を明言。『Voetbal』も27日に「フィンクとヘンクの契約が成立。ヘンクはSTVVに補償金を支払う。すべての関係者が最終調整を行っている段階であり、今週中にも公式発表される予定だ」と報じている。

 フィンク氏のSTVV退団に伴い、パリ五輪世代の日本代表GK鈴木彩艶をはじめ同クラブ所属選手の去就にも注目が集まるが、同氏は現時点で日本人選手の引き抜きは検討していない模様。ベルギー紙『HBVL』は「フィンクはSTVVからアシスタントコーチの招へいに加えて、DFマット・スメッツとMFヤルネ・ステウカースの獲得も望んでいる」と綴っている。

 なお、ヘンクの下部組織であるヨング・ヘンクには、FC東京から期限付き移籍中のU20日本代表FW熊田直紀が在籍。同選手は2月4日のベルギー2部リーグ戦でデビューを飾ると、その後はスタメン出場6試合、途中出場2試合で1ゴールと出場機会を確保している。Jリーグ、日本人選手の特徴を知るフィンク氏がトップチームの監督に就任するとなれば、今年夏にトップチームでプレーするチャンスを手に入れる可能性も考えられる。