原作者によるチェックがルール化

 そうしたなかで投稿された、今回の『ACMA:GAME』原作者による脚本への疑問。背景に何があるのか。テレビ局関係者はいう。

「ドラマの放送がスタートした時点でまだ5話くらいまでしか脚本が完成していない場合もあれば、放送開始の数カ月前には全話分が完成している場合もあり、作品によってまちまち。『セクシー田中さん』問題以降、どこの局でも原作モノのドラマ制作の現場ではこれまで以上に原作者による事前の脚本チェックを受けることを徹底しているが、あくまで可能性の話として、『ACMA:GAME』は脚本が完成したのが『セクシー田中さん』問題が起きる前であり、かつ原作者がきちんと脚本をチェックするという流れになっていなかったということも考えられる。

 10年前くらいまで、ドラマ制作では事前に脚本を原作者に見せて本人の意向に反する部分がないかどうかチェックを受けるという慣習は、ほとんどなかった。だが近年では、原作者から『事前に見せてもらう必要はない』と言われない限り、原則としては脚本を原作者に見せることがルール化されている。とはいえ、たとえ原作から設定やストーリーを変えても、原作者が脚本を読んで内容に細かくいろいろと言ってくることは稀。制作の現場はとにかく時間がなく、また一つの作品に非常に多くの人間がかかわるので、制作サイドとしてはできるだけ脚本の修正が生じない方向に持っていこうとする。

 ちなみに、そうした大人の事情を俳優陣も分かっているので、アドリブが入ることは珍しくないが、俳優が脚本の内容に“ここはおかしい”などと口を挟むことはほとんどない」

 別のテレビ局関係者はいう。

「メーブ氏の投稿を見る限り、同氏は事前に日テレから脚本を見せられていないように思えるが、日テレが原作代理人である出版社には事前に渡したものの、出版社が原作者に見せないままOKするケースもあるので、そのようなかたちだった可能性も考えられる。『セクシー田中さん』問題は一つの局に限った問題ではなく、業界全体に共通する問題であるというのが業界関係者の共通認識だが、日テレでは短期間のうちにたて続けに表面化しているところをみると、ちょっと多いという印象。日テレはドラマ制作部門全体の体質として根本的な問題を抱えているのではないかと感じる」

 当サイトは日本テレビに対し、『ACMA:GAME』の原作者に脚本の事前チェックを受けていたのか事実確認すべく問い合わせたところ、「個別の質問にはお答えしかねます」との返答が寄せられた。

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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