サッカーができる社会貢献活動とは何か
日本における視覚障がい者への支援はまだ十分であるとはいえず、千葉盲学校も特別多くの予算が組まれているわけではない。そのような現状の中で行われた交流会について盲学校の職員からは「今回ジェフさんから頂いた寄付金などは、我々の備品や補助具といった生徒たちに還元できるものとして大切に使っていきたいです。まず第一に、多くの人が私たちの取り組みやこの学校のこと、そしてジェフさんのチャリティー活動自体を知りません。視覚障がいの人たちの生活や苦悩を、サッカー関係の人々にも知ってもらうことで、視覚障がいを持った人たちが少しでも快適に暮らせる社会をつくっていけたら嬉しいです」と語った。
今回のチャリティーに使用された点字シャツは『hummel』がサポートするスポーツクラブとの協働プロジェクトとなっており、スポーツ界にとっても先進的な取り組みである。サッカーではJリーグからジェフ千葉、ガンバ大阪、ツエーゲン金沢、WEリーグからINAC神戸が参加している。ジェフ千葉の点字シャツは、千葉県の県花である菜の花がスタジアムに集まるサポーターの手のひらを思わせるデザインになっている。シャツの裾には点字加工でクラブ名が施され、浮き出た文字を指先で触って読み取ることができる。
交流会に参加したジェフ千葉の関係者は「私たちはサッカークラブという看板があるからこそ、このような機会をいただけている。だからこそ千葉を代表するJクラブとして、少しでも多くの人にこのような現実を知ってもらうために活動する意義や使命があります」と語った。
障がい者支援をしたくても、その方法がわからないという人も少なくないだろう。今回行われた点字シャツプロジェクトは、そのような人々にサッカーというメジャースポーツを通じて支援を行うための橋渡しとなり得る。地域に根差した活動を軸とする日本のプロサッカークラブや、そのチームを応援するサポーターにしか出来ない社会貢献活動の形があるはずだ。世界中で愛されるスポーツならではの支援方法は他にも存在するだろう。今後もサッカーが多くの社会的意義を果たせるスポーツであり続けることを願っている。