藤本寛也 写真:Getty Images

 かつて東京ヴェルディに在籍していたMF藤本寛也は、ポルトガル1部ジル・ヴィセンテでプレー。今夏ブンデスリーガ移籍の可能性が報じられているほか、日本代表入りを推す声も挙がっている。

 藤本は2020年8月に東京Vからジル・ヴィセンテへレンタル移籍。2021/22シーズンのリーグ戦でほぼ全試合スタメン出場すると、2022年8月に完全移籍へ移行。2023/24シーズンもリーグ戦33試合の出場で3ゴール7アシストをマーク。2月中旬からおよそ1か月にわたりベンチスタートが続いたが、4月以降は再びレギュラーに返り咲いていた。

 ジル・ヴィセンテの主力選手として活躍しているだけに、藤本はドイツ方面から熱視線を浴びている模様。北ドイツ放送は今月24日にブンデスリーガ昇格組であるザンクトパウリの補強を特集。攻撃陣における「主力選手に成長する可能性を秘めた獲得候補」として、藤本、MFアフォンソ・ソウザ(レフ・ポズナン)の名前を列挙。ザンクトパウリはFW宮市亮(現横浜F・マリノス)の古巣であり、今季ドイツ2部リーグで優勝を成し遂げている。

 また、ドイツメディア『クリエイト・フットボール』は今年3月27日、日本代表DF板倉滉やFW福田師王擁するボルシアMGの補強ポイントを「コンスタントにチャンスを演出する攻撃的MF」とした上で、獲得リストに含まれている可能性のある選手に、藤本や韓国人MFホン・ヒョンソク(KAAヘント)らを指名。ボルシアMGは2部入れ替え戦圏内の16位VfLボーフムから勝ち点1差の14位に終わっており、板倉をはじめ複数選手の退団が噂されている。

 藤本はドイツ国内のみならず、日本でも高く評価されている。東京ヴェルディOBで解説者の林陵平氏は今年2月、AFCアジアカップ終了後にヴィッセル神戸OB那須大亮のYouTubeチャンネルに出演。「これからの日本代表について」と題した対談企画で、代表入りを望んでいる選手に藤本の名前を挙げた上で、同選手について以下のように評していた。

 「彼は(ジル・ヴィセンテで)スタメンで10番を背負っている。左利きで中盤ならばどこでもプレーできる。サッカーIQが高いので、立ち位置、ポジショニングがすごく良いタイミングで取れる。左のキックのセンスも抜群だし、すごく楽しみな選手」

 ジル・ヴィセンテでコンスタントにプレーしているものの、日本代表招集歴のない藤本。今年夏にブンデスリーガ挑戦を果たし、新天地で活躍するとなれば、森保一監督の目に留まるかもしれない。