伊藤洋輝 写真:Getty Images

 VfBシュツットガルト所属の日本代表DF伊藤洋輝には、ミランからの関心が報じられているが、ここに来て中東移籍の可能性が浮上。サウジアラビア1部アル・アハリが同選手の獲得に動いているという。

 伊藤は昨年夏にオランダ1部アヤックス移籍破談が報じられた後、シュツットガルトと契約延長。新たに2027年6月までの複数年契約を結んでいるが、複数のドイツメディアは3000万ユーロ(約48億円)の契約解除条項が盛り込まれている可能性を指摘している。

 シュツットガルト、日本代表の主力選手として活躍している伊藤の去就を巡っては、シュツットガルトの地元紙『シュトゥットガルター・ツァイトゥング』が今月9日にプレミアリーグ方面からの関心を伝えたほか、「バイエルン・ミュンヘンとボルシア・ドルトムントにとっても興味深い存在だ」とドイツ強豪クラブを移籍先候補に指名。ドイツメディア『ZVW』はシュツットガルトの厳しい財政事情を理由に、同クラブが日本代表DFを引き留めない可能性を伝えていた。

 またイタリア紙『トゥットスポルト』は23日、ミランがFWセール・ギラシの獲得にむけてシュツットガルトと交渉していることを伝えた上で、「伊藤の名前も交渉のテーブルに乗った。オファーを提示する可能性がある」と報道。ただ年俸500万ユーロ(約8億5000万円)という選手側の要求が、ミラン移籍実現に向けての障壁になっているという。

 そんな中、カタールのTV局『アルカス』は26日に「伊藤は今夏の移籍ウィンドウで、アル・アハリからオファーが届いた最初の選手だ」とリポート。ただ同選手は今年1月、FWクリスティアーノ・ロナウド擁するサウジアラビア1部アル・ナスルからの年俸15億円、違約金40億円以上という巨額オファーを拒否したと報じられているだけに、アル・アハリ移籍にも関心を示さない可能性が考えられる。

 アル・アハリは、かつてヴィッセル神戸やセレッソ大阪でプレーしていたDFダンクレーを擁する中、2021/22シーズンに2部降格。翌2022/23シーズンに2部優勝を果たすと、昨年夏の移籍ウィンドウではブラジル代表FWロベルト・フィルミーノやアルジェリア代表FWリヤド・マフレズなど大物選手を次々と獲得している。

 なお日本代表選手に対するサウジアラビア国内クラブからの関心については、昨年夏から今年冬にかけてMF久保建英(レアル・ソシエダ)、DF板倉滉(ボルシアMG)、MF旗手怜央(セルティック)、MF鎌田大地(ラツィオ)の4選手に同国移籍を拒否、もしくは関心を示さなかった可能性が報じられている。