中古車の価格は走行距離や年式によって大きく左右され、とりわけ「10年10万キロ」を超えた車両は格安で売りに出されているケースも珍しくありません。「とにかく生活の足に必要だから、安い中古車で済ませたい」という人にとって、その価格は魅力的に映ると考えられます。

しかし、自分の命を預けることになる車を、それほど安い値段で済ませてよいのかどうか、不安に感じる人も多いでしょう。今回は低年式車両などを安く購入した経験のある方々に、「格安中古車のホントのところ」について話を聞きました。

目次
「持病のある車」には要注意
消耗部品の交換、チリも積もれば……

「持病のある車」には要注意

爆安の中古車を買ったら“安物買いの銭失い”になる?「値段に飛びつき失敗した」人と「買った額より高く売れた」人に話を聞いてみた
(画像=©metamorworks/stock.adobe.com、『MOBY』より 引用)

格安の中古車を購入する際、まず気になるのが故障のリスクです。「最近の国産車なら、10年10万キロ程度では壊れない」といった声も聞きますが、中古車は使われ方によって個体差も大きく、トラブルのリスクは避けて通れないと考えられます。

「数年前、15年落ちで走行距離13万キロのワゴンを買いました。価格は20万円くらいでしたが、しばらくは普通に乗れていて、買って1年後に車検も通せたんです。

ただ、それから間もなくアイドリングが不安定になることがあり、そのうちエンストも頻発するようになってしまって……。購入した店に持ち込み、スロットル洗浄をして一度は改善されたのですが、数ヶ月後に同じ症状が出てきてしまって。

運転中『次はどこで止まるか』とヒヤヒヤするのもイヤになり、結局別の車に買い替えました。後から調べると、その不具合はサービスキャンペーンの対象になっていたようで、買う前にそういうことを調べておけばよかったなと思いましたね」(40代男性)

上のお話にあるように、中古車を購入する際にはその車両が過去に「リコール」や「サービスキャンペーン」の対象となっていたかを調べることも大切です。とくにリコール対象となる車種は、設計上・製造上の問題を抱えていることもあり、そのまま乗っていると重大なトラブルに発展する可能性があります。

購入しようとしている車がリコールなどに該当する車種である場合には、販売店に過去のリコール対応について確認しておくことが求められます。不明な場合やリコール未対応の場合には、販売店を通じてディーラーに問い合わせるなど、購入後の対応の可否をあらかじめ確認しておきたいところです。

消耗部品の交換、チリも積もれば……

爆安の中古車を買ったら“安物買いの銭失い”になる?「値段に飛びつき失敗した」人と「買った額より高く売れた」人に話を聞いてみた
(画像=©kawee/stock.adobe.com,『MOBY』より 引用)

大きな故障が起きなかったとしても、車を維持していくうえでは消耗部品の交換が必要です。古い車の場合にはとくに、「マイナーな部品の交換費用」がお財布にダメージを与えるケースもあるようです。

「2年前、10万キロ超えの軽自動車を30万円くらいで買いました。当時は5年落ちだったので、年式としてはそこまで古くなかったんですよね。とにかく安く足が欲しくて、その後のことはあまり考えずに決めました。

これまでに一度エンジンのかかりが悪くなりましたが、それはプラグ交換で解決し、普通に快調に走っています。ただ、最近買ってからはじめての車検があり、その際に足まわりのブーツ類にヒビが入っているということで、部品代と工賃で5万円くらいかかりましたね。

やっぱり整備士さんの話では、ゴム系の部品がまずダメになっていくというので、これからますます直さなきゃいけない箇所が出てくるのかなと思います」(30代男性)

とくに機関に問題がなくても、古い車や走行距離の多い車を車検に通す際にはしばしば「ブーツ類の破損」が問題になります。ブーツ類にはさまざまな種類がありますが、ハンドル操作とともに伸縮するドライブシャフトブーツやタイロッドエンドブーツなどは経年によるダメージを受けやすく、ここにヒビや破損があると車検に通すことができません。

部品1つの代金はそこまで大きな額ではないものの、工賃などが積み重なって想定外の出費となることも。低年式車や過走行車を購入する際には、大きなトラブル以外に「ちょっとした消耗部品」の交換費用もある程度見積もっておくとよいのでしょう。